東芝テック、マイクロサービスによる流通向けプラットフォームの構造を解説

今回は「東芝テック、マイクロサービスによる流通向けプラットフォームの構造を解説」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 東芝テックは10月12日、流通向けプラットフォームの「ELERA」の取り組みに関する説明会を開催した。ELERAでは、多種多様なマイクロサービスを構築され、さまざまな機能を提供している。小売店で発生する購買に伴う各種データを集約するとともに、物流データや人流データ、ヘルスケアデータなどを組み合せて、同社は流通・小売のDXの推進をサポートする考えだ。

 説明を行ったCDO室 サービスデザイン推進センター長の濱田美樹夫氏は、「小売ではDXへの投資が加速しており、同時に企業の利益向上だけでなく顧客満足度、社会満足度、従業員満足度といった多岐にわたる課題解決が求められている。単なる“金庫番”と計算機能だけだったレジスターから、販売状況を管理して本部でデータを集約するPOSレジに移行した時のように、われわれが提供するソリューションを改めて変えていかなくてはならない時期に入っている」と述べた。「新たなビジネスの課題解決に向けて、次のソリューションに脱皮していきたい。将来的に、小売のデータを起点に、生活の満足度向上につなげるソリューションの創出にとつなげたい」とした。

 東芝テックは、POSシステムで世界トップシェアを持ち、特に国内は52%の圧倒的なシェアを持つ。同社によると、米国の小売トップ10社のうち6社が東芝テックを採用しており、欧州では10社中4社、日本では10社中8社という。また、2014年から電子レシートサービスの「スマートレシート」を提供しており、レシートの情報をスマートフォンで管理したり、これらのデータを活用して小売店のサービス強化を支援したりするなどの実績がある。

 さらに、トータルソリューションストアーシステム「PrimeStore」では、購買データに加えて、商品カタログや顧客属性などのさまざまなデータを蓄積でき、1台当たり平均2000万~3000万件のデータを活用できるという。「店舗の効率化や欠品管理、AIを活用した値引きによる廃棄の削減、シフト管理の効率化、あるいはリテールメディアとしての活用など、さまざまな使い方で効果を発揮している」(濱田氏)

 こうした同社のPOSシステムや各種サービスを統合するのが、ELERAになる。多種多様なマイクロサービスによる機能を提供し、購買に伴う膨大なデータを集約する。店内だけではなく店外やバックヤード、サイバーとフィジカルをつなぐ各種サービス群を用意することで、業態や店舗ごとに異なる課題に対応した各種ソリューションを提供するという。これにより、高付加価値データの活用を促進し、小売のDXを強力にサポートできるとする。

 世界的な小売企業では、北米地域の700店舗以上での返品業務を一元管理したり、コンピュータービジョンによる商品認識機能の活用などによりセルフレジでの不正を防止するサービスを提供したりしているという。このほかにも、オンラインと店舗の購買データを統合管理して、店舗購入品の自宅への配送といったサービスの拡大につなげているなど、小売店のDXに貢献した事例が出ているとした。

 日本でも、データを活用することで、地域ごとの売上データからテレビコマーシャルの効果を測定しているケースや、物流の共同配送の実現、モビリティー・アズ・ア・サービス(MaaS)とのデータ連携による地域配送サービスの高度化などに取り組む例もある。

 濱田氏は、「東芝テックは、東芝グループで顧客に近い部分を担い、データを活用してBtoBtoC(法人間ビジネスから消費者向けビジネスまで)の領域をカバーしている。購買データや商品カタログのデータがPOSレジ内部に格納され、今後は店舗運用の手法や受発注の自動化、欠品管理などでもPOSデータが“武器”になる。POSデータを中核に、さまざまなソリューションが立ち上がり始めている」と説明した。

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