AIがDevOpsに与える影響はいまだ不明確–Google Cloud調査
今回は「AIがDevOpsに与える影響はいまだ不明確–Google Cloud調査」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
人工知能(AI)はソフトウェア開発の生産性を極限にまで高めるだろうと考えられている。しかし、AIを搭載した開発ツールがチームの作業に与える影響は、まだほんの触り程度のレベルにとどまっている。
これは、Google CloudのDevOps Research and Assessment(DORA)チームが最近発表したDevOps関連のレポート「State of DevOps Report 2023」(DevOpsの状況レポート2023年版)の要点だ。このレポートでは、世界の3万6000人を超えるテクノロジープロフェッショナルからのデータが分析されている。
多くの専門家は近年、AIによってソフトウェア開発/配備の大幅な生産性向上がもたらされるとともに、開発者の仕事における満足度が向上すると指摘している。
しかし、上記レポートの著者であるGoogleのDerek DeBellis氏とNathen Harvey氏によると、「今回の調査では、そういった指摘を裏付ける結果は得られていない」という。
両氏は「われわれの調査によると、AIは(バーンアウトや、仕事に対する満足度といった点で)個人の幸福度をわずかばかり改善しているものの、集団としての効果、すなわちチームのパフォーマンスやソフトウェア調達のパフォーマンスに対して中立か、場合によっては負の影響を与えていることが示唆されている」と述べた。
両氏はこうした煮えきらない状況について、AIの導入がいまだ初期段階にあるためである可能性が高いとした上で、「調査対象となった人たちの多くは、少なくとも何らかのAI機能を自らの仕事に導入しているため、こうした開発ツールの可能性について大きく期待している。しかし、AI搭載型のツールが普及し、業界内で連携して用いられるようになるのはまだ先のことだと予想している」と述べた。
今のところAIの影響は限定的であるにもかかわらず、この調査では開発部門での導入をけん引している要素も洗い出されている。DeBellis氏とHarvey氏はこの調査において、高い生産性を実現している部門の開発者、すなわち「エリートプロフェッショナル」に着目した。こうしたプロフェッショナルがアプリケーションの変更に要するリードタイムはわずか1日となっていた一方、低生産性部門の開発者のリードタイムは1週間から1カ月となっていた。またエリートプロフェッショナルは1日に何度もソフトウェアをデプロイできていた。そして、バグ対応時のソフトウェア変更障害率も5%以下となっていたが、生産性の低いソフトウェア部門の変更障害率は60%を超えていたという。