企業は「サステナビリティー」を経営の主軸とせよ
今回は「企業は「サステナビリティー」を経営の主軸とせよ」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
「サステナビリティー」への注目が一段と高まってきている。多くの企業が自社のパーパス(存在意義)として、サステナビリティーへの貢献を掲げるようになってきた。そこで今回は、サステナビリティーについて日本IBMと富士通の話を通じて、筆者が今一番訴えたいことを申し上げたい。
改めて、サステナビリティーとは、環境、社会、経済において持続可能性を重視した発展を目指す考え方や取り組みを意味する。「サステナビリティートランスフォーメーション(SX)」という言葉が使われることも多くなった。これは、その持続可能性により良いインパクトを与えるために、企業や行政などによるさまざまな変革の活動を指す場合が多い。そして、SXを推進していくために欠かせないのがデジタル技術であり、デジタルトランスフォーメーション(DX)である。
サステナビリティーが注目される背景には、国連をはじめとした世界的な取り決めとして、「SDGs」(持続可能な開発目標)の達成が2030年まで、温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」の実現を2050年までとする期限があり、これに向けての取り組みを積極的に進める企業の評価が高まっている。そして、こうした企業の取り組みをDXによって支援しようというITベンダーの動きも活発化している。だが、問題はそうした取り組みを企業がビジネスとして継続させ、成長に結び付けられるかどうかだ。
サステナビリティーについては本連載でもこれまで幾度か取り上げてきたが、今回は日本IBMと富士通の話を通じて、筆者が今一番訴えたいことを申し上げたい。
まず、日本IBMの話。同社は先頃、「企業が成長を賭けて投資すべき7つの領域」について提言を行ったレポートを発表した。その7つのうちの1つにサステナビリティーを挙げ、「意識変革とともにサステナビリティーを経営の主軸とし、全社一体で次世代が生きる未来を創ろう」と呼び掛けて次のように記している(図1)。
「グローバル全体を見渡した際、サステナビリティーの観点で先進的な取り組みを開始する企業は徐々に増加している。しかしながら、それらの多くはコアプロセスに組み込まれておらず狭所的な取り組みにとどまっており、企業はサステナビリティー施策を成長や収益性につなげられていないとみられる」
「世界各国において、企業が開示するサステナビリティー情報に対する監視はますます厳しくなっており、開示情報の透明性や信頼性を確保すべく企業は迅速な対応に迫られている。財務データのみならず、グリーン台帳のデータなどサステナビリティー施策の効果を測るためのデータを統合管理していなければ、効率的な開示だけでなく、サステナビリティー観点からの意思決定も実現しない」
「国内市場に目を向けた場合、海外と同様サステナビリティー施策のほとんどは狭所的な取り組みであり、その対象は環境保全などの領域に偏るケースが多い。レポーティングを行うことそのものを主目的として捉える傾向も強い。この傾向は企業にとどまらず、日本ではサステナビリティーを国策として推進し、自国の経済復興に役立てるべく整備を進めるような動きに遅れがあるとみられる」
こうした問題点を挙げた上で、次の3つのアドバイスを提示している。
上記の中で、「サステナビリティーを経営の主軸に」とのメッセージこそが、筆者が今回一番訴えたいことだ。従って、この記事のタイトルにも引用させてもらった。