日本の要件に対応した機能を強化–「Oracle NetSuite」事業戦略を発表

今回は「日本の要件に対応した機能を強化–「Oracle NetSuite」事業戦略を発表」についてご紹介します。

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 日本オラクルは11月13日、クラウド型ERP「Oracle NetSuite」の事業戦略説明会を開催した。

 同社 取締役 執行役 社長の三澤智光氏は本サービスについて、「3万7000の企業が単一のクラウド、アーキテクチャー、データモデルで稼働するOracle NetSuiteを利用中。半期に1回のアップグレードでセキュリティリスクやパフォーマンスの問題も解消する。今後、業務アプリケーションはAIで進化していくが、適時取り入れていくには、(Oracle NetSuiteのような)単一環境が必要になる」と紹介した。

 2016年11月にNetSuiteをOracleが買収する形で自社サービスに加えたOracle NetSuiteは、219カ国で3万7000社の顧客を持つにまで成長した。

 クラウド財務会計やERP、Eコマースなど多数の機能を備え、日本オラクル バイスプレジデント NetSuite事業統括 カントリーマネージャーの渋谷由貴氏は「経済状況の目まぐるしい変化に対応して生き残り、勝ち残るために戦う中小企業こそ必要なソリューションである」と説明した。

 国内は2005年に市場参入し、日本独自の法令や消費税などに対応させてきた。また、小売業や製造業、卸売業など多数の業種に提供しており、さらなる市場獲得を目指す日本オラクルは、「大企業に対しては2Tier ERP(2層ERP)のアプローチを用意している。財務会計、在庫管理、注文処理調達など主要な業務機能を一元的に管理し、販売サービスやマーケティングの自動化機能、顧客業績管理、プロジェクト計画とオンラインおよび実店舗の販売など、包括的な商取引オプションも用意した。スタートアップ企業から中小・中堅・大企業、業種やビジネス形態を問わず、あらゆる顧客がわれわれのサービスで恩恵を受けられる」(渋谷氏)とOracle NetSuiteの長所を強調した。

 2024年会計年度以降の機能強化も予定しており、北米などで提供済みの銀行口座明細連携機能「Bank Feeds」の日本金融機関向けモジュールや、日本版デジタルインボイス用テンプレートの「e-Invoicing SuiteApp」、日本でNetSuite導入開始当初から既存の手形管理機能をSuiteApp化し、他国の要件も取り入れた「Enhancing Tegata」を提供する。

 AI機能もCohereと提携して、「Oracle Cloud Infrastructure」上に構築した生成AIサービスを多方面に提供する予定だが、当然ながらOracle NetSuiteも対象に含まれる。現時点では文書の自動分類や帳票からのデータ抽出、 サプライチェーンの予測リスク、 テキスト分析など多くの機能を盛り込む予定だ。

 国内のOracle NetSuite利用企業であるタナベコンサルティンググループ 専務取締役の藁田勝氏は、導入効果を次のように語る。「導入は4年前ほど。それまでのシステムは後継者の問題や維持コストが発生していた。Oracle NetSuite導入後は維持コストも30%以上削減。ERP導入で組織が変わり、会社まで変わっていく」

 SkyDrive 管理部ITグループ マネージャーの佐野琢也氏は、「スモールスタートかつカスタマイズも担保していることから、2020年にOracle NetSuiteを導入。カスタマイズは基本的にコーディング不要のノーコードだが、JavaScriptも使用できる」とコメントした。

 日本オラクルの製品を幅広く取り扱うSB C&SのICT事業本部 クラウド・ソフトウェア推進本部 本部長の菅野信義氏によると、「2023年8月に『Oracle NetSuiteアフィリエイトプログラム』を開始した。端的に述べれば販売パートナーやエンドユーザーからの案件を日本オラクルに紹介する」プログラムを展開中だという。

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