生成AIは講師の役目を果たすか–英会話学習アプリ「スピークバディ」に迫る
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生成AIを活用した英会話学習アプリ「スピークバディ」を提供するスピークバディは12月4日、生成AI活用普及協会(GUGA)の協議員を務める森川智貴氏を招き、生成AIと教育・学習の未来について語るラウンドテーブルを開催した。GUGAではさまざまな業界/業種の生成AI有識者が協議員として集まり、生成AIの普及プロセスや想定されるリスクなどを議論している。
スピークバディの英会話機能「バディチャット」では、AIキャラクター「AIバディ」と会話することで、発音、フレーズ、単語、イディオムなどの体系的な学びを図る。同機能は、「ChatGPT」のAPIを活用して開発された。
バディチャットにはビジネス/日常会話などさまざまなシチュエーション・難易度のコンテンツが用意されている。受講者はAIバディとの会話を通して、各レッスンで1フレーズを学習する。学習後、会話履歴が音声とともに表示され、文法などのミスがあった場合は指摘してもらえる。
システムの裏側では、音声認識で受講者の発言を文字起こしし、自然言語処理と機械学習(ML)で内容を分析。この情報を基に、会話生成AIが文脈に沿った応答を生成する。音素分析で発音の正確さを評価するとともに、アルゴリズムを用いて学習の提案を行う(図1)。スピークバディではAIの活用に加え、「第二言語習得理論」に基づいた学習設計により、効率的な学習が可能になるという。
代表取締役社長の立石剛史氏は「当社は2016年からスピークバディを提供しているが、ChatGPTのAPIが登場し、音声認識と合成音声、会話生成AIを組み合わせたら、AI英会話というものが容易に作れるようになった」と所感を述べ、「当社が差別化できる点として、ML、自然言語処理、音素分析、アルゴリズムなどを含めて開発していることがある。今後AIとのスムーズな会話はコモディティー化していくが、われわれは『効率的なカリキュラム』『楽しく学習できるUX(ユーザー体験)』といった強みも持っており、コアな部分を実装してこそ意味のあるサービスになるだろう」と自信を見せた。
森川氏は「オリジナルのチャットボットを作れる機能『GPTs』がChatGPTに搭載され、参入障壁が低くなっている。一方、本気で法人格として世の中にサービス提供しようとすると『ラストワンマイルが長すぎる』と感じる」とコメントした。
AIバディは約40種類存在しており、同社はあらかじめ彼らの出身地や職業、性格などを設定している。プロンプトエンジニアリングによる制御を行うことで、AIバディが本人のキャラクターに沿った発言をすることを実現しているという。公序良俗に反する会話は禁止しており、不適切な発言にはAIバディが表情を曇らせ、会話を中止する設計にしている。
スピークバディの総利用者数は300万人以上に上る。法人導入実績は100社以上で、サントリーや三井不動産、ブリヂストンなどが名を連ねる。企業では海外人材の採用やインバウンド対応、教育機関ではスピーキング力の強化といったニーズのもと導入されている。税込の料金は、1カ月プランが3300円、6カ月プランが1万7800円、12カ月プランが2万3800円。