2024年はAIの社会や企業への実装が加速–JCSSAが新年会合
今回は「2024年はAIの社会や企業への実装が加速–JCSSAが新年会合」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
日本コンピュータシステム販売店協会(JCSSA)は1月23日、東京都内で2024年の新年賀詞交歓会を開催した。会場には880人の業界関係者が参加。会長の林宗治氏(ソフトクリエイトホールディングス 代表取締役社長)は、「JCSSAの賀詞交歓会としては過去最高の参加者数となり、IT業界団体の賀詞交歓会の中でも最大の参加者数」と報告した。
林氏は、「テクノロジーとエンジニアの力が重要な業界。業界の人脈を使って情報交換を行い、その力を高めていきたい。会員数は400社を超える。新たにセキュリティ委員会も立ち上げ、コンテンツ面も充実してきた。これをどう届けるかがテーマ。入会しても、セミナーなどの機会に接しないままの会員がいる。より接点を持ってもらうための年にしたい。ITで日本を元気にする団体を目指す」と抱負を述べた。
来賓の経済産業省 商務情報政策局 情報産業課ソフトウェア・情報サービス戦略室長の渡辺琢也氏は、「生成AIは、大谷翔平選手と並んでヒット番付の横綱に位置付けられ、流行語大賞にも選出された。内燃機関やインターネットに並ぶ革命と言われるが、生成AIによってインターフェースが変わり、大きな変化が生まれることになるだろう。自動車やPC、スマートフォン以上に人を大きくエンパワーしてくれる」と述べた。
さらに、「政府は、生成AIを開発するためのスーパーコンピューターの整備、基盤モデルの開発に挑戦する若い人たちを支援する。リスクへの対応も必要であり、開発事業者や利活用する事業者が生成AIのどんな点に留意すべきかといったガイドラインを、総務省とともに作成し、現在パブリックコメントを募集している。政府は、生成AIの利活用環境を全力で整備する方針だ。2023年は研究開発の観点で生成AIが注目されたが、2024年は社会実装やビジネスモデルとして確立し、生成AIの利活用を進めて普及させ、ビジネスを発展させるとともに、社会課題の解決につなげる年にしたい」と語った。
乾杯の音頭を取ったNEC 取締役 代表執行役社長 兼 CEOの森田隆之氏は、先週に参加した世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)でのエピソードを披露した。
「例年より参加者が多く、経済に対して楽観的に見ていることを感じた。会期中には、会場の周囲に企業のパビリオンが設置されるが、その多くがIT企業。1週間の設置に1億円、高いもので10億円がかかる。ダボス会議での“GDP”(国内総生産)の90%以上をこの1週間で稼ぐという。私は2日間で20社近い世界のトップリーダーと30分ごとにミーティングした。会場には、意思決定をさせる特有の雰囲気があり、物事が加速度的に進む。会う人とはAIの話になる。IT業界にいる立場から見れば、2024年は最大のチャンスになると感じる。全てのところにAIが波及していく初年度が2024年。AIは、米国大手企業の動きが注目されているが、製造業や流通業でナレッジを持ち、現場にいる人たちが巻き返すチャンスが来ている」(森田氏)
また同氏は、「日本の景気や経済活動にドライブがかかってきたと感じている」としながら、「日本人には慎重な面もあるが、今は失敗コストが安くなっており、失敗をしながら学んでいくことが一番効率的に事業を進めるやり方。NECは、自らがDXの実験場となり、さまざまな技術を試している。ITに関して全ての価値を1社で実現することはできない。多くの企業と連携しながらお客さまや社会の価値を作ることでビジネスが生まれる。一緒になって日本の経済や産業を引っ張っていきたい」と語った。
賀詞交換会では、ハードウェアメーカー各社もあいさつした。
「VAIOは2023年に大きな成長を遂げた。『VAIOがんばれよ』という声もかけてもらい感謝している。2024年はVAIOのブランドと、VAIOのモノづくりを次世代に残すために全力を尽くす」(VAIO 広域営業統括部長の矢野勝也氏)
「AI for Allのビジョンにより、AIを皆さんに届けたい。Personal、Private、Publicの3つのレイヤーから展開していく」(レノボ・ジャパン 執行役員副社長の安田稔氏)
「独自の生成AIの『cotomi』を発表した。これを『NEC Digital Platform』を通じて提供していくことになる」(NEC 国内営業統括 Corporate EVPの松原文明氏)
「2024年のキーワードはAI。マイクロソフトの全ての製品に生成AIを実装する。日本こそAIの力が必要になる。AIの力で日本が元気になる」(日本マイクロソフト 執行役員 常務 エンタープライズサービス事業本部長の三上智子氏)
「卓越したハードウェアをサブスクリプションモデルで提供していく。変化に正面から対峙(じ)し、努力を続ければ、大きな成果が生まれる1年になるだろう」(日本ヒューレット・パッカード 代表執行役員社長の望月弘一氏)
「AI PCの登場やWindowsのマイグレーションなどにより、業界にとって大きな1年になる。東京生産が25周年の節目になる。供給体制を万全にする」(日本HP 代表取締役 社長執行役員の岡戸伸樹氏)
「Dynabookは35周年の節目を迎える。今年はAIが勃興する年になる。日本のIT市場を活性化させたい」(Dynabook 代表取締役社長兼CEOの覚道清文氏)
「『Uvance』を中心に据えたデジタルサービスを提供していく。ハードウェア専業会社のエフサステクノロジーズを設立し、グループ全体で社会やお客さまを支えるトータルソリューションを提供する」(富士通 執行役員 SEVP システムプラットフォームの櫛田龍治氏)
「クラウドや生成AIの利用を加速するために、従量課金型データ基盤ソリューションである『EverFlex from Hitachi』で応えていきたい」(日立製作所 クラウドサービスプラットフォームビジネスユニットマネージドサービス事業部長の吉田貴宏氏)