セールスフォース、「Einstein 1 Platform」で小売業向け新機能

今回は「セールスフォース、「Einstein 1 Platform」で小売業向け新機能」についてご紹介します。

関連ワード （マーケティング、リテールテック最前線等） についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。

　米Salesforceは、データとAIを活用して買い物体験を変革するツールを「NRF 2024」で発表した。同社のEC基盤「Commerce Cloud」やマーケティング基盤「Marketing Cloud」への生成AIの搭載により、小売業者やマーケターは買い物客の行動や好みをリアルタイムに把握しながら、やりとりを最適化できるという。その結果、ロイヤルティーの向上や収益の拡大、従業員の生産性向上が期待される。

　これらの機能開発には、同社のローコード開発基盤「Einstein 1 Platform」を活用している。Einstein 1 Platformは、小売データと買い物客データを連携するほか、大規模言語モデル（LLM）と統合し、リアルタイムな状況理解、ブランドボイス（ブランドらしい語り口調）の一貫性、データガバナンス、セキュリティを確保する。同社は、買い物客／小売業者／マーケターそれぞれに新たな体験を提供するといい、次のような機能を用意している。

買い物客向けのツール

　対話型AIアシスタント「Einstein Copilot」の拡張機能「Einstein Copilot for Shoppers」は、買い物客対応用のアシスタント。パイロット実施中で、2024年夏に一般提供を予定している（日本市場での提供時期は未定）。

　買い物客は、ブランドサイトやメッセージアプリなど、小売業者のチャネルにおいて自然言語でやりとりし、迅速に商品を見つけて購入できる。例えば、米国太平洋岸北西部の買い物客がキャンプ旅行のための道具が必要であるとEinstein Copilot for Shoppersに伝えると、同機能は位置情報や好み、購入履歴など既存の顧客データに基づき、好みと思われる色の防水防風テントを勧め、決済用のリンクも提示する。

小売業者向けのツール

　EC機能を提供する「B2C Commerce」内の「Page Designer」は、生成AIによる自然言語プロンプトを使用し、迅速にECサイトをデザイン・作成・カスタマイズする。例えば、小売業者は幾つかのプロンプトを入力するだけで、ランニングシューズの新ラインに関するキャンペーンのランディングページをブランドの雰囲気に沿った形で作成できる。パイロット実施中で、日本市場での提供時期は未定。

　注文管理を行う「Order Management」の機能「Return Insights」は、データを分析して返品のパターンを調べ、AIを活用して小売業者に今後の返品を最小限に抑えるよう商品ディスプレイの変更を促す。加えて、センチメント（感情）分析によって商品レビューのコメントや返品理由コードを評価し、特定商品の問題に素早く対処するアクションを提案する。現在、一般提供されている。

　「Inventory Insights」は、デジタルの小売業者が在庫状況を明確に把握し、可能な限りいつでも商品を販売できるようにする。小売業者は在庫に関するデータやインサイト（洞察）にほぼリアルタイムにアクセスして、商品の予約や取り置きの管理、商品需要の予測のほか、カスタマーサービス担当者に買い物客のカートに追加できそうな商品を提案する。パイロット実施中で、2024年夏に一般提供を予定している（日本市場での提供時期は未定）。

小売マーケター向けのツール

　「Referral Marketing」は、ブランドが紹介制度を立ち上げ、あらかじめ用意されたテンプレートやAIツール「Likely to Refer」を用いて迅速なコンバージョン向上を支援する。Likely to Referは、紹介制度に参加する可能性の高い買い物客を特定する組み込み型のツール。

　同機能によりブランドは、トレンドを確認してプロモーション内容を微調整し、インタラクティブなメールキャンペーン、ランディングページ、A/Bテスト、送信時間のパーソナライゼーションにおいて一貫性のある体験を生み出せるとしている。現在、一般提供されている。