富士通、2023年度第3四半期決算は微増収減益–強気姿勢を崩さない3つの理由
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富士通は1月31日、2023年度第3四半期(2023年4月~12月)の連結業績を発表した。売上収益は前年同期比0.2%増の2兆6427億円、営業利益は同72.2%減の480億円、調整後営業利益は同21.7%減1188億円、税引前利益が同70.2%減の609億円、当期純利益が76.9%減の260億円の微増収減益という厳しい内容だった。だが、決算説明会では強気の姿勢は崩さなかった。
それには幾つかの理由がある。1つ目は、主力となるサービスソリューションの好調ぶりだ。第3四半期の累計のサービスソリューションの売上収益は、9.8%増の1兆5220億円、調整後営業利益は113.6%増の1163億円の好調な内容となっている。売上収益は、売却したPFUの事業再編影響を除くと12.9%増になり、調整後営業利益は、前年同期の2倍超の水準に達している。また、調整後営業利益率は7.6%で、第3四半期だけを見ると9.8%にまで上昇した。
決算発表した取締役 執行役員 SEVP/CFO(最高財務責任者)の磯部武司氏は、「コンサルティング、モダナイゼーション、クラウドマイグレーションの需要が拡大し、これらの旺盛な需要を『Fujitsu Uvance』で取り込めている。さらに、サービスデリバリー変革の採算性改善が計画通りに進んでいる」と力強い成長に手応えを示した。
採算性改善では、「JGG」(ジャパン・グローバルゲートウェイ)を通じた開発プロセスの標準化や自動化、内製化が進展しているほか、グローバルデリバリーセンターによるオフショア活用が着実に進んでいる。「採算性の改善で人件費の上昇をカバーできている」(磯部氏)とのコメントも飛び出し、大きな成果が上がっていることを示して見せた。
2つ目は、ポートフォリオ変革の要と位置付けるFujitsu Uvanceが着実に成長していることだ。
Fujitsu Uvanceの売上収益は、67.2%増の2473億円となり、通期で3000億円の計画に対して82%の進ちょく率となった。磯部氏は「通期売上目標を上回る勢い」と語った。また、売上収益の内訳をでは、「Vertical」が644億円、「Horizontal」が1828億円となっており、今後の事業拡大を見込んでいるVerticalは前年同期比6倍という実績を達成している。
「第3四半期累計で約40種類のオファリングを新たにリリースし、合計で110種類がそろった。特にVertical領域での品ぞろえを拡大している」(磯部氏)
また、サービスソリューション全体に占めるFujitsu Uvanceの売上構成比は、前年同期の11%から今期は16%に拡大。Fujitsu Uvanceの受注は、2023年度第3四半期累計で前年同期比79%増の2956億円と、今後の事業拡大に向けた案件が積み上がっていることを示す。