サイバー犯罪者が生成型AIのコード生成機能を悪用–クラウドストライクが警鐘

今回は「サイバー犯罪者が生成型AIのコード生成機能を悪用–クラウドストライクが警鐘」についてご紹介します。

関連ワード (セキュリティ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 サイバーセキュリティ企業CrowdStrikeは米国時間2月21日、「2024年版グローバル脅威レポート」(CrowdStrike 2024 Global Threat Report)を公開した。同レポートによると、サイバー犯罪者集団はMetaの大規模言語モデル(LLM)「Llama 2」をはじめとする生成型の人工知能(AI)を悪用し始めているという。

 同レポートには、Scattered SpiderというグループがLlama 2を用いて、Microsoftのタスク自動化プログラム「PowerShell」で記述されたスクリプトを生成したことを確認したと記されている。このスクリプトは、「北米の金融サービス企業」に所属する複数の従業員のログイン認証情報をダウンロードするために用いられたという。

 同レポートによると、PowerShellで記述された攻撃コードを分析した結果、Llama 2が用いられたことを示す痕跡が見つかったという。同社は、「ユーザー固有のIDをダウンロードするために用いられたPowerShellのコードは、『ChatGPT』といったLLMの出力と類似していた」と記すとともに、「特に、それぞれのコマンドが、1つのコメントと実際のコマンド、改行で構成されているというパターンは、『Llama 2 70B』モデルの出力に合致している。コードスタイルのこうした類似から、Scattered SpiderはこのアクティビティーにおいてPowerShellスクリプトの生成にLLMを使用している可能性が高いと判断できる」と記している。

 同レポートは、LLMを使用した痕跡を見いだすことは現時点において困難であるため、生成型AIをベースにした攻撃や、生成型AIで強化された攻撃を検知する能力は限定的だと警鐘を鳴らしている。ただ同社は、今のところLLMはそう多く使用されていないという仮説を立てており、「攻撃者が作戦遂行時の一部段階で生成型AIを利用した可能性があると具体的に確認されたケースは極めて少ない」と記している。

 とは言うものの同社は、生成型AIの悪用が増加していくのは間違いないとしており、「AIの持続的発展により、悪用される可能性のある能力も確実に強化されていくだろう」と記している。

 これまでは、攻撃側の課題として、LLMの開発コストが高い故に、そこから生成できる攻撃コードの種類が限られているというものがあった。

 また同レポートには、「こうしたモデルを作り上げて使用しようとする脅威アクターの試みは、2023年においては比較的できの悪い詐欺にとどまり、多くの場合にはすぐに廃れていた」と記されている。

 生成AIの悪用方法としてコード記述の他に考えられるのは、フェイクニュースの作成だ。同レポートはこの点に関して、2024年に予定されている米国の数多くの選挙がフェイクニュースの温床になる可能性を強調している。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
データで成功するために「データアンバサダー」や多様性を–ドーモのCOO
IT関連
2022-09-13 05:13
より安価な義手を求めて
ロボティクス
2021-07-27 14:18
Facebook、Oculus端末でのVR広告のテストを開始
アプリ・Web
2021-06-18 17:01
イーロン・マスク氏がClubhouseに登場、ファンがYouTubeへライブストリーム、途中からRobinhood CEOへのインタビューに
ネットサービス
2021-02-02 06:20
オンラインRPGでAWSを学ぶ「AWS Cloud Quest」/登大遊氏はインチキネットワークの普及に取り組む/Electronの代替を狙うRust製「Tauri」ほか、2022年3月の人気記事
編集後記
2022-04-08 14:45
日経平均3万円でも「日本株は割安」と判断する理由
IT関連
2021-03-09 21:29
「車内映像」から考えたリアルの条件 (1/2 ページ)
イラスト・デザイン
2021-04-27 08:58
円安加速と人件費増によるクラウドサービス料金値上げ–ガートナーにリスク対策を聞く
IT関連
2023-06-29 04:00
コードとその変更を視覚化するCodeSeeがセカンダリーシードで約8億円調達
IT関連
2022-01-23 21:19
エーザイ、IT投資対効果の可視化を目的としてTBM製品を導入
IT関連
2022-07-20 10:47
コニカミノルタ、教育データ活用を可能にする学校教育向けソリューションを発売
IT関連
2023-05-03 10:21
Googleドライブ、TrelloやMiroと統合可能なコラボ重視のビデオ会議「Whereby」がシリーズAで13億円調達
ソフトウェア
2021-03-19 22:32
「ヤフオク!」でNFTアイテムの取引が可能に 基盤は「LINE Blockchain」
企業・業界動向
2021-07-28 05:28
フォークを刺した音で食材が分かる 高精度な食事記録システムを立命館大が開発 :Innovative Tech
トップニュース
2021-04-06 02:14