テクノロジーの“目利き”は健在か–CTCの米国事業トップに聞いてみた

今回は「テクノロジーの“目利き”は健在か–CTCの米国事業トップに聞いてみた」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営、松岡功の「今週の明言」等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、ITOCHU Techno-Solutions America President&CEOの田中匡憲氏と、Akamai Technologies Cloud Computing Field CTOのJay Jenkins氏の「明言」を紹介する。

 伊藤忠テクノソリューションズ(以下、CTC)は先頃、米国マサチューセッツ工科大学(MIT)発のスタートアップ企業であるLiquid AIとエッジAIソリューションの開発に向けた協業を開始したと発表した。CTCの米国事業会社であるITOCHU Techno-Solutions Americaのトップを務める田中氏の冒頭の発言は、その発表会見の質疑応答で、CTCのテクノロジーにおける“目利き”について聞いた筆者の質問に答えたものである。

 CTCは今回の協業により、最小限の処理能力で順応性の高い機械学習(ML)を可能にする「Liquid Neural Network」(LNN)と呼ばれる手法に基づくLiquid AIのAIを活用して、エッジデバイスでの処理能力の向上を目指す。

 エッジAIはデバイスの近くにAIを置くことで、サーバーとの通信コストを減らしながらリアルタイムでの解析や判断ができるため、自動運転や店舗カメラでの顧客行動分析、工場における異常検知などでの活用が期待されている。

 今回の協業では、LNNに基づくLiquid AIのMLのテクノロジーを活用して、大規模なデータをリアルタイムにエッジで処理するエッジAIソリューションの開発を行っていく構えだ(図1)。

 会見の内容については関連記事をご覧いただくとして、ここでは田中氏の冒頭の発言に注目したい。

 CTCは1972年の創立以来、システムインテグレーター(SIer)として活動を続けているが、早くから米国の先進テクノロジーに基づく製品やサービスを取り扱って日本の企業に提供するという、先進テクノロジーの目利きを発揮してきた。今回の協業もそうした目利きとしてのこだわりがあるのではないか。会見の質疑応答でそう聞いてみたところ、田中氏は次のように答えた。

 「確かに当社は他社に先駆けて米国から新しいテクノロジーに基づく製品やサービスを持ってきて、日本のお客さまにお届けすることに注力してきた。当初はハードウェアが中心だったが、その後、データマネジメントやセキュリティなどのソフトウェアやシステムソリューションへと取り扱うものが広がっていった。だが、最近になってその内容が変わってきた」

 「どう変わったかと言えば、これまでは、米国で既に実績を上げており、日本に持ってきてもユーザーニーズが確実にあったものが多かったが、最近では今回の協業がまさに当てはまるように、最先端のテクノロジーを採り入れてCTCが製品やサービスに仕立て上げてお客さまにお届けする形になってきた。それだけ、以前にも増して最先端テクノロジーに対する目利きを利かせ、進化させていかないといけないわけだ。私の役目もまさしくそこにある」

 冒頭の発言はこのコメントから抜粋したものである。

 CTCは1980年代から、急成長していた米Sun Microsystems(後にOracleが買収)のワークステーションやサーバーを日本へいち早く持ち込んだ。UNIXベースのそれらの製品は、この時代に注目された「オープンシステム」の象徴で、Sunと共にCTCも確固たる存在感を放っていたのを、筆者はよく覚えている。今回の協業を皮切りに、来るAIの時代にあらためて確固たる存在感を発揮できるか。CTCおよび米国で最前線に立つ田中氏の目利きの進化ぶりに注目していきたい。

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