エーピーコミュニケーションズ、開発者のノンコア業務効率化を支援する新サービス
今回は「エーピーコミュニケーションズ、開発者のノンコア業務効率化を支援する新サービス」についてご紹介します。
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エーピーコミュニケーションズは「プラットフォームエンジニアリング推進サービス」の提供を開始すると発表した。同サービスは、クラウドネイティブ技術の選定・導入や自動化の設計、クラウドへの展開や各種リソースを定義するためのドキュメント作成、セキュリティ対策などの開発周辺の補助的な業務(ノンコア業務)を効率化することで、エンジニアの開発生産性を最大化する「Platform Engineering」の導入を併走型で支援する。
概要を説明した取締役 Azureコンテナソリューション事業部長の上林太洋氏は、同社について「NeoSIerをうたって取り組みを進めている企業」と紹介し、「システムインテグレーション(SI)のやり方の構造/モデルにいろいろな課題があるということで、新しい技術を含めて新しいやり方にチャレンジしていくことをコンセプトとしている」と説明し、Platform Engineeringへの取り組みもその一環と位置付けた。
さまざまなアプリケーションが事業の中核として位置付けられるようになり、市場のニーズの変化などにアプリケーションを適用させる俊敏性が求められるようになった結果、きちんと仕様を策定して順を追って開発していく従来のウォーターフォール型と呼ばれる開発手法から、アジャイル開発やDevOpsといった新しい手法への切り替えが起こった。
DevOpsでは開発(Dev)と運用(Ops)をそれぞれ専門のチームが担当する体制から、1つのチームで担当することで開発と運用の対立構造を解消し、迅速な改善を継続的に実施することを目指したものだが、結果的に開発者は運用側の知識やノウハウを学んで実践しなくてはならなくなり、負担が増大した。
端的に言えば、Platform Engineeringでは、増えてしまった開発者の負担のうち、直接的な開発に関わる部分ではない「ノンコア業務」について、開発者ポータルによるセルフサービス化/自動化で負荷軽減を図り、かつ開発者ポータルを通じてアクセスする開発者Platformをプロダクトとして提供するPlatformチームを開発チームとは別に立ち上げ、開発者を支援する体制を構築する体制とする。
開発者ポータルとしてはオープンソースの「Backstage」が広く使われているが、Backstageによる開発者ポータルの構築/運用にも時間とスキルが必要でそれなりにハードルが高いことから、エーピーコミュニケーションズはこれまでもその部分の支援策などを提供してきた。2023年2月にはBackstageに組み込んで活用するプラグインとして同社が開発したAI活用型ツール「Value Tracer」によって、開発チームの稼働削減率が6.8%(月)という成果が検証されたことが発表されている。
Value Tracerでは「AIを活用した議事録の自動作成・よくある質問(FAQ)回答の自動化」と「議事録などを含めた、情報の可視化と分析」の2つの機能を搭載している。チームで開発方針を話し合った結果を議事録として記録/保管しておく作業などは、会議に参加した開発者にとっては負担の重いノンコア業務と位置付けられるが、これを自動化し、さらに実際の開発の際に「打ち合わせで決まった開発方針を改めて確認する」などの作業を迅速に行えるように支援することで無駄な時間を削減していくという考え方だ。
上林氏はこの検証について「まず足下ですぐにでも効果が出る領域で自動化していこうとトライアルを行い、2カ月で6.8%削減という結果を得た。今後開発の領域にもさまざまな無駄があると捉えているので、そういったものも削減していくことでより価値の高い機能にフォーカスしていける開発体制に向けてこのツールを生かしていこうという考えで進めている」と位置付けた。