生き残りの施策にマイナスイメージ–アクセンチュア、「顧客との認識ズレ」に警鐘

今回は「生き残りの施策にマイナスイメージ–アクセンチュア、「顧客との認識ズレ」に警鐘」についてご紹介します。

関連ワード (マーケティング等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 アクセンチュアは年次レポート「アクセンチュア ライフ トレンド2024」を発表した。同レポートは、企業価値の向上を支援する組織「アクセンチュア ソング」のデザイナー、クリエイター、テクノロジーの専門家、社会学者、人類学者の洞察や知見、2023年8月に日本を含む21カ国1万5227人を対象に実施したアンケート調査を基に作成された。

 同レポートは、企業が「顧客の共感創造」と「ビジネスの成長」を両立させる5つのカルチャートレンドについて解説している。

 現在、経済的な理由で企業はコスト削減を余儀なくされ、値上げや品質の低下、サブスクリプションの乱立、顧客サービス品質の低下など、さまざまなチャネルで顧客との間に摩擦を引き起こしている。そのため顧客の半数近くは、カスタマーサービスへのつながりづらさや不十分な対応に不満を感じている。

 また品質低下や内容量の減少(シュリンクフレーション)、サービス品質の低下(スキンプフレーション)、過度なサブスクリプション化などによりブランドは静かに信頼を失いつつあるとし、その原因は「企業と顧客の認識のズレ」だとする。企業が生き残りの施策として立てた戦略に対し、一部の顧客はそれを「貪欲さから来る施策」だと捉えているという。

 大規模言語モデル(LLM)によって知的で双方向の会話が成立し、「○○が欲しい」ではなく、「○○をしたい」に対する解決策を提示することが可能になった。調査によれば生活者は、お勧め商品の提示(42%)、タスクの遂行(44%)、健康や医療のアドバイス(33%)といった目的で「ChatGPT」などの対話型AIを使うことを快適だと感じているという。こうした中、対話型AIは今後、インターフェースの在り方を大きく変えるとしている。ブランドは対話型AIインターフェースを通じて顧客理解を深め、顧客に関連性の高い製品・サービスや体験を提供することが可能となる。

 エンターテインメントの世界では、観客は続編やスピンオフといった過去の延長線上にある作品が飽きられているという。また、35%の回答者はどのブランドも似通ったアプリデザインで区別できないと回答し、18~24歳に限るとその値は40%近くに上昇する。このことから文化の停滞期が訪れている可能性もあるという。こうした状況の中アクセンチュアは、クリエーティブを生み出すプロセスで生成AIの果たす役割が大きくなれば一層悪化する可能性もあるとした。そこで賢明な企業はここに商機を見いだし、独創性やクリエーティブな人材に投資することで、凡庸さの中で際立つ存在を目指すべきだとしている。

 生活者の3分の1近くが、テクノロジーによって生活がシンプルになる一方、複雑にもなったと答えている。人々はテクノロジーに追い立てられ、ウェルビーイングに悪影響が及んでいると感じているという。これに対して企業は、テクノロジーが生活にどのように組み込まれ、人々に新たな時間やスキルを強要していないかなどについて注意深く見極める必要があるとしている。そしてテクノロジー活用の有無を選択できるようにすることで、顧客に自己決定権を取り戻したと感じさせることが大切だという。

 今や人々は1年未満の単位で人生を考えているという。48%の人は「1年先までの計画しか立てない、もしくは全く立てていない」と回答している。過去3年間で、結婚(21%)、学位の取得(24%)、実家を出ること(17%)といったライフイベントに関する重要度も低下している。アクセンチュアは、こうした新たな価値観は製品やサービスに対する見方を変えると指摘する。その上で、従来の常識にとらわれずに自分らしい道を歩もうとする人を支援するため、柔軟に適応してシームレスな体験を作り出す企業が求められるとする。

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