約6割の民間企業が自治体との帳票類を「全て紙」で授受–インフォマート調査
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インフォマートは3月7日、「自治体の会計業務に関する実態調査」の結果を発表した。同調査によると、約6割の民間企業が自治体との請求書や契約書、納品書のやりとりについて、「全て紙」と回答したという。同社は、「自治体に根強く残る紙文化と民間企業との商習慣の違いによる業務負荷が浮き彫りになった」と指摘している。
同調査は、インフォマートが提供するバックオフィス業務向けクラウドサービス「BtoBプラットフォーム」のユーザーで、自治体と取引がある企業を対象に実施した。調査期間は2023年11月24日~12月14日で、回答者は808人だった。
インフォマートは同調査を実施した背景について、「自治体と民間企業の取引における『紙の帳票類』の現状と課題をより深掘りするため」だとしている。
自治体との取引がある民間企業に具体的な取引内容を聞くと、自治体に対して商品やサービスを提供する民間企業(売り手企業)では、オフィス用品やOA機器、教科書、清掃用品などの「物品販売」が最多だった。一方、自治体から商品やサービスを購入する民間企業(買い手企業)は、「水道料金」や「産業廃棄物の処理料金」「インフラサービス」が上位を占めた。
自治体と取引する売り手企業に帳票類のやりとりを尋ねると、「全て紙でやりとりしている」と回答した割合は、請求書が64.6%、契約書が63.8%、納品書が63.7%だった。なお、「全てシステムで電子化している」と回答した割合は、請求書が2.4%、契約書が1.7%、納品書が1.5%だった。
売り手企業が、紙の帳票類のやりとりで困っていることは「自治体ならではの規則(代表者印や発行日に関する規則など)を守る必要があるため、紙対応が必要」(61.5%)が最多だった。以下、「印刷代や郵送代、保管代などのコストがかかる」(39.6%)、「電話・メール・郵送・持参で取引するため、時間がかかる」(35.8%)、「郵送・なつ印する必要があるため、出社する必要がある」(32.2%)と続いた。
買い手企業の帳票類のやりとりでは、「契約書」の58.6%、「請求書」の57.2%、「納品書」の55.3%が「全て紙でやりとりしている」と回答。「全てシステムで電子化している」と回答した割合は、契約書が2.0%、請求書が5.3%、納品書が3.9%だった。
買い手企業が、紙の帳票類でのやりとりで困っていることでは「電話・メール・郵送・窓口対応で取引するため、時間がかかる」(43.4%)が最も多く挙げられた。ほかに、「印刷代や保管代などのコストがかかる」(33.1%)、「リモートワークで処理できない」(28.3%)、「インボイス制度に対応した書式になっていない」(17.2%)などの回答も見られたという。
自治体との取引における要望については、「帳票類を全ての自治体で『共通様式』にしてほしい」という意見が多く挙がった。また、「押印」や「都度請求」など、脱はんこの促進や制度の見直しを求める声も見られたとしている。
インフォマートは同調査の結果を踏まえ、「自治体ごとに異なるルールや書式にするのではなく、統一された様式を策定することで、双方の業務負荷を減らし、地域社会の効率化や発展につながる」とした。