プロンプト作成の負担を軽減–セールスフォース、生成AIの取り組み解説
今回は「プロンプト作成の負担を軽減–セールスフォース、生成AIの取り組み解説」についてご紹介します。
関連ワード (マーケティング等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
セールスフォース・ジャパンは3月15日に説明会を開催し、生成AIに関する同社のプラットフォームや機能について解説した。
現在、数多くの業務アプリケーションにおいて「ChatGPT」をはじめとした汎用(はんよう)的な生成AI機能の搭載が進んでいる。生成AIは、ユーザーインターフェース(UI)、大規模言語モデル(LLM)、パブリックデータの3層で構成されている。
製品統括本部 プロダクトマーケティング シニアディレクターの松尾吏氏によると、同社はこの1年間で多くの顧客と対話し、一般消費者も利用する汎用的な生成AI機能を企業が利用する上での課題をヒアリングしたという。例えば、AIの信頼性・安全性、複数のアプリケーションに散在するデータの集約、モデルのトレーニングコスト、自社のワークフローとの統合に関して懸念や課題がある。
その上で同社は、企業の従業員が日々利用するシステムの中でAIを活用できること、社内のデータを活用して自社のブランド価値や顧客の要望に沿った回答を生成すること、高い安全性のもとAIを利用することが必要だとしている。しかし、企業が利用するアプリケーションは多岐にわたるほか、複数のデータ基盤や生成AIを利用していることもある。
Salesforceが提供するAIプラットフォーム「Einstein1 Platform」では、社内のあらゆるデータをリアルタイムデータプラットフォーム「Salesforce Data Cloud」に格納し、従業員は同社の顧客関係管理(CRM)アプリケーション上で生成AIを利用できる(図1)。
加えて、Einstein1 Platform内の「Einstein Trust Layer」は、生成AIの安全な利用を可能にするという。ユーザーがプロンプト(指示文)を入力すると、安全なデータ取得、動的グラウンディング(人間らしい言葉の解釈)、データのマスキングを行った上で、外部に保存することなく回答を生成する。その後はマスキングの解除、有害性の検出、監査履歴の保存を行う。
Data Cloudでは、CRMアプリケーション内のデータだけでなく社内のあらゆるデータを集約できる。同ソリューションは、外部のデータレイクやデータウェアハウスと統合するコネクターやAPI連携を行う「MuleSoft」を搭載している。
Salesforceは、自社のCRMアプリケーションにおいて複数の生成AI機能を提供している。例えば「セールスメール」では、顧客に送るメールを作成する際、「担当者の変更」「提案」といったメニューを選択するとメールが自動生成される。「通話サマリー」では、顧客とのオンラインミーティングの内容を要約。「サービス返信」では、顧客の問い合わせ内容やCRMのデータに基づき回答を自動生成する。
GUCCIは、店舗で行っているきめ細やかな接客をデジタルチャネル上でも実現するため、Salesforceの生成AI機能を活用している。この機能により同社のカスタマーサービスでは、会話が30%増加したという。
セールスフォース・ジャパンは2024年夏以降、対話型生成AIアシスタント「Einstein Copilot」の提供を予定している(図2)。同機能は、Salesforceの全アプリケーションで利用できるため、例えばカスタマーサービス部門の従業員がEinstein Copilotに質問すると、営業部門やマーケティング部門のデータも活用して回答する。