AI導入の障壁は既存インフラ–ITモダナイゼーションとクラウド移行の需要が拡大

今回は「AI導入の障壁は既存インフラ–ITモダナイゼーションとクラウド移行の需要が拡大」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 人工知能(AI)、エッジシステム、より持続可能なアーキテクチャーへの移行に、果てしない情熱が注がれている(容赦ない重圧というべきかもしれない)。問題は、既存の多くのシステムがそれに対応できないことだ。そのため、ITモダナイゼーションの新たな波が起こっており、古いオンプレミスシステムからハイブリッドクラウドまたはマルチクラウドサービスへの移行が新たに推進されている。

 Nutanixの委託で1500人のIT幹部を対象に実施された新しい調査によると、ハイブリッド/マルチクラウドの導入が今後1~3年で倍増する見込みだという。最高情報責任者(CIO)やITリーダーは、AI、エッジシステム、セキュリティ、持続可能性に対応するために、新しいプラットフォームとアーキテクチャーの運用を可能な限り早く開始するよう迫っている。AIアプリケーションを現行のITインフラストラクチャー上で実行することが「大きな」課題になると答えた人は、約10人に4人(37%)だった。

 もちろん、「ITモダナイゼーション」とは総じて相対的なものであり、いつの時代にも当てはまる。なぜなら、どんなレガシーシステムもかつては新システムだったからだ。2024年の文脈におけるモダナイゼーションは、ハイブリッドクラウド戦略を採用してアプリケーションとデータを管理、実行するとともに、(願わくは)そのプロセスの複雑さとコストをある程度縮小することを意味する。

 明らかにそれが最優先事項であることも、この調査で示されている。IT幹部らは、2024年の最優先事項への投資を増やしていると回答した。もちろんこれはAIのことだ。AIに迫る優先度だったのがITモダナイゼーション、すなわちクラウドの利用拡大だった。

 当然ながら、この2つの優先事項は密接に関連している。AIはこのITインフラストラクチャーモダナイゼーションの新しい波を推進するものであり、コアクラウドとエッジ環境におけるデータモビリティーの向上も目標となっている。回答者のほぼ全員(99%)が、AIアプリケーションまたはインフラストラクチャーをアップグレードする計画があると答えた。また、AIイニシアチブへの対応のために、クラウド、データセンター、エッジ環境間におけるデータ転送の改善が必要と回答した人は、半数以上だった。

 多くの業界リーダーは、AIが全体的にさまざまな新規投資に拍車をかけているという点で意見が一致している。「AIはデータを利用するので、AIの導入には堅実なデータ戦略が必要だ」。Rocket Softwareのアプリケーションモダナイゼーションビジネス部門のプレジデントであるPuneet Kohli氏はこのように述べた。「一方で、自動化はデータガバナンスとデータ管理において有益な役割を果たす可能性がある。世界のあらゆる業界の企業が、ビジネスプロセス管理、ワークフロー、ロボティックプロセスオートメーションへの投資を継続的に拡大し、業務変革を加速させている」

 モダナイゼーションの取り組みは、移行と新ソリューションに携わる人々が全面的に関与しなければ成功しない、とKohli氏は続ける。「モダナイゼーションではコラボレーションが重要だ。輝かしい最新ツールへの投資には心躍るだろうが、どんな新ソリューションも組織の問題を魔法のように解決してくれるわけではない。むしろリーダーは、自社の長期的な位置づけを確立できるように価値を高める努力をしなければならないが、それは必ずしも、市場で流行しているテクノロジーをすべて採用するということではない。モダナイゼーションを成功させるには、企業が持つものを最大限に活用して次のレベルに引き上げる継続的な試みとして取り組む必要がある」

 Nutanixの調査では、AIと並んでエッジコンピューティングが2024年のテクノロジー投資の主役になりつつあることも明らかになった。経営幹部の90%以上がエッジ戦略の強化を目指しており、72%はサーバー容量の追加、ネットワーク機器、リーダー、センサーなど、関連テクノロジーに投じる資金を増やす予定だ。

 「エッジロケーションでのインフラストラクチャーの導入と管理が、あらゆるAI/ML戦略の重要な構成要素だ」と調査レポートの著者らは指摘する。「AIソリューションの採用が加速することで、エッジインフラストラクチャーを(特にハイブリッドマルチクラウドインフラストラクチャーの1つの構成要素として)早急に導入し、データの処理とアクセスの高速化によって、リアルタイム処理をサポートしなければならない、という切迫感が高まる可能性がある」

 クラウドへの移行で難しいのは、「リフトアンドシフト」アプローチがうまくいかない場合があることだ。IT幹部の3分の1以上(35%)は、現在のITインフラストラクチャーを考慮すると、ワークロードとアプリケーションの移行は大きな課題だと回答している。アプリケーションのコンテナー化は、レガシー環境と現代的な環境の両方をサポートするための回避策として機能する可能性があり、需要が高まっている。したがって、コンテナー化(あらゆるプラットフォーム間でいつでも移動できるポータブルな自立型アプリケーションの作成)も全速力で続いている。コンテナー化は誰もが実施しており、97%が自社のアプリケーション資産の一部をコンテナー化していると回答した。

 よく言われるように、いきなり長い距離を進むのは大変だが、少しずつ短い距離を進むのは簡単だ。この言葉は、モダナイゼーションに取り組む組織の苦悩も和らげてくれるかもしれない。

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