25年度中のFAX利用廃止に小中教員の半数以上が賛成–アドビ調査
今回は「25年度中のFAX利用廃止に小中教員の半数以上が賛成–アドビ調査」についてご紹介します。
関連ワード (「GIGAスクール構想」で進化する教育現場、CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
アドビは4月25日、全国の国公立の小学校教員250人と中学校教員250人を対象とした「FAXの利用状況と校務のデジタル化」に関する調査結果を発表した。同調査は3月18~22日、インターネットで実施された。これによると、2025年度中にFAXの利用が全ての学校で原則廃止になる見通しに関する認知度が26.8%にとどまる一方、廃止には51.4%が賛成していたという。
日本政府は校務DXの一環として、教育現場でのFAXの使用を2025年度中に原則廃止する方針を示している。同調査では校内におけるFAXの使用頻度を聞いたところ、約半数の49%が「月に1回以下」と回答し、「月に数回」と合わせると72.8%だった。「だいたい毎日」「およそ週に複数回」との回答は13.6%にとどまり、FAXは既に限られた機会でのコミュニケーション手段となっているとアドビは説明する。
FAXを利用することがあると回答した教員の88.9%が、FAXの使用において何らかの不便・不安を感じており、最も多い要因は「ちゃんと送信できたかを確認ができない」(56.2%)だった。管理職では「個人情報対策や機密情報管理が不安」(36.7%)という声も挙がった。
2025年度までにFAXが廃止される方針について知っていたかを聞いたところ、73.2%が「知らなかった」と回答し、認知率は26.8%にとどまった。FAXの廃止についてどう思うかを聞くと、「とても良いと思う」が19.8%、「良いと思う」が31.6%と、合わせて51.4%が賛成を表明した。「とても良いと思う」「良いと思う」と回答した割合は、一般職よりも管理職の方が約10%高かった。
FAXの廃止を通して期待することを複数回答可で聞くと、80.5%が「ペーパレスにつながる」と回答し、管理職の45%は「個人情報保護対策や機密情報管理の徹底につながる」と答えた(図1)。
校務へのデジタル活用の例を挙げて教員の期待を聞いたところ、「過年度に作った書面がPDFで残っていたので、数字や曜日などの軽微な修正のみをPDF上で行う」には全体の79%、「過年度のファイルと今年のファイルを画面上で並べて比較し、変更箇所をチェック」には78%が「とても/多少は効率が上がると思う」と回答した(図2)。デジタル化による過去の書類の再利用を通して、例年行う書類作成業務の効率化が期待されているとアドビは見ている。
小中学校は通常、保護者や外部機関とのやりとりで押印や署名を行っており、過去1年間における電子サインの業務利用経験者は送信で7.2%、受信で8.2%にとどまった。こうしたプロセスを電子サインで代用した場合、業務が効率化されると思うかを聞くと、54.2%が「そう思う」と回答し、電子化に期待する教員が過半数以上存在すると分かった。
今回の調査結果を受けて、アドビ 教育事業本部 執行役員 本部長の小池晴子氏は「2025年度中の校務におけるFAX原則廃止計画の認知度は低かった一方で、過半数の教諭がFAX廃止に賛成しており、校務のデジタル化について、ペーパレス化だけでなく個人情報や機密情報管理の面でも期待やニーズが高いと分かった。学校におけるデジタル化やDXは、『GIGAスクール構想』『DXハイスクール構想』やコロナ禍の影響もあり、教育に直接関わる教務のほか、校務においても変革が予想される」とコメントしている。