郵便料金の値上げによる請求書発行の追加費用は年間100万円超–Sansan調査
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Sansanは「請求書の発行業務に関する実態調査」を実施、結果を発表した。
これによると、郵便料金の値上げによる請求書発行の追加費用は、1社あたり年間平均約108万円になる見込みだと分かった。
3月7日、総務省は、25グラム以下の定形の封書に定める郵便料金の上限額を84円から110円に26円引き上げる案を承認しており、約半年後の10月頃に郵便料金が改定される見通しだ。また調査から得た「自社で発行している請求書の件数」と「そのうち紙で発行している割合」を掛け合わせたところ、1社あたり月平均3465件の請求書を紙で発行していることが判明している。さらに従業員101人以上の中堅・大手企業に限定すると、1社あたり月平均4443件の紙の請求書を発行しており、郵便料金の値上げに伴う、郵送費用負担は年間で139万円程度増加する見込みだ。
この調査は4月16日〜4月19日にオンライン上でのアンケート調査で実施された。調査地域は全国で、調査対象は請求書を取り扱う業務を担当する経理担当者726名人。
なお郵送費用負担は1件の請求書を1つの郵便物として送付した場合の費用としている。「(紙の請求書の平均発行件数:1社あたり月3465件)×(郵便料金の引き上げ予定金額:1件あたり26円)×12か月分」として、郵便料金の値上げに伴い年間で増加する郵送代を算出している。
その他の結果では、自社で発行している請求書は紙と電子どちらの割合が高いか聞いたところ、「紙の割合が高い」と答えたのは62.8%で最も多かった。一方「電子の割合が高い」と答えたのは22.5%だった。2023年4月の同社の調査では「紙の割合が高い」が63.1%だったため、約1年間経っても状況はほとんど変わっていない。
郵便料金の値上げを機に、請求書発行を紙から電子に切り替える予定があるか聞いた。その結果「郵便料金値上げを知る前から、紙から電子への切り替え(または切り替えの検討)を進めていた」が35.7%、「郵便料金値上げを機に、紙から電子への切り替えを検討している」が14.0%となった。このことから約半数の企業が電子への切り替えを進めている、または検討していることが分かった。
また発行している請求書について「電子の割合が高い」または「紙と電子が半々」と答えた人に対して、請求書発行を電子化するメリットを聞いた(複数回答可)。その結果、「社内のペーパーレス化が進んだ」と回答した人が73.2%と最も多かった。次いで「郵送代など請求書発行にかかるコストを削減できた」が58.0%、「請求書を処理する時間が減った」が42.4%という結果となった。
また自由回答では、経理担当者が感じた具体的なメリットとして、「印刷にかかる費用削減(建設・不動産)」「紙保存のスペースが減り、事務所の有効活用が可能になった(運輸・物流)」といったコスト削減に関するものが挙げられた。さらに「請求書を探すのに苦労をしなくなった(建設・不動産)」「請求書をなくしたかの社内外トラブルがなくなる(製造)」など、業務の効率化につながったという声も挙がっている。
このほか、「在宅勤務が可能になった(IT・情報通信)」、「原始的な仕事が減り付加価値の高い業務に時間を回せるようになった(食品・小売・飲食)」など、働き方に関する回答も多数寄せられたという。