日立建機、リアルタイムデジタルツインを開発–建設機械の自律操作に
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日立建機とアプトポッド、ユニキャストは、建設現場の環境をリアルタイムにデジタル空間に再現する「リアルタイムデジタルツイン基盤」を開発したと発表した。建設機械の自律操作などを目指すとしている。
日立建機によると、建設業界では少子高齢化と労働力不足により、自律型建設機械の開発に期待が寄せられている。同社は、人と機械の協働および安全性と生産性を両立する「協調安全」の施工現場実現を目指し、機械やセンシングで収集した情報、データに基づいて人への注意喚起や建設機械の制御を行い、現場全体の安全と生産性の高い施工に取り組んでいるという。
このため日立建機は、2020年8月に自律型建設機械向けシステムプラットフォーム「ZCORE(ズィーコア)」を開発。2023年5月にアプトポッドに出資し、業務提携契約も締結して、デジタルツインによる施工現場全体の可視化と建設機械の自律運転を行うシステムを開発してきた。
今回発表したリアルタイムデジタルツイン基盤は、日立建機の自律型建設機械と建設現場に設置されたLiDARやカメラなどによるセンサーシステムから収集するデータをIoT基盤経由で処理し、地形情報や建設機械の状態情報をデジタル空間上に3次元でリアルタイムに再現する。建設機械の位置と稼働情報、作業員の位置や生体情報、作業の進展による地形の変化など現場状況を仮想空間に再現して、遠隔地から人の個々の作業内容の調整や、現場で稼働する複数の建設機械の制御が行え、人と機械が共存する安全性の高い施工現場を実現するとしている。
この開発では、日立建機が自律型の油圧ショベルとホイールローダーの提供および現場をデジタルツイン化するための要件定義、建設機械から収集したデータの通信制御、アプトポッドがIoT基盤「intdash」およびデータ収集に関するクラウドと3D空間表示アプリケーションの開発、ユニキャストがLiDARのデータから現場地形を3Dデータ化するソフトウェア開発をそれぞれ担当した。