日本ITインフラの課題解決に3つの重点事項–キンドリルジャパン、2025年度事業戦略
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キンドリルジャパンは6月12日、2024年4月から始まった2025年度の事業戦略と注力領域を説明する発表会を開催した。同社は「ITモダナイゼーション」「インドを活用したマネージドサービス」「社会成長の生命線を掲げる自社の社会貢献」――の3分野に注力する。
Amazon Web Services(AWS)を基盤に顧客のIT環境をクラウド統合し、古いメインフレームのコードもAWSのツールで近代化。同社 代表取締役社長のJonathan Ingram(ジョナサン・イングラム)氏は、「日本独自の取り組みとして、顧客に対してAWSリソースの設計構築や運用をサポートする新しいサービスを近々発表する」という。
当初は運用最適化が中心的機能だった「Kyndryl Bridge(キンドリルブリッジ)」も、自動化によるコスト削減やAIを利用したデータの可視化など、多数の機能を備えた統合基盤に成長した。キンドリルジャパンによれば、Kyndryl Bridgeを導入する企業は全世界で1200社を超え、顧客企業に年間約20億ドル相当の生産性メリットを提供しているという。
Kyndryl Bridgeは各機能をコンソール経由で提供するが、同サービスを契約した企業はKyndryl Bridgeマーケットプレイスで用途に即したサービスを見つけ出し、業務を代替できるか否かをテストしていけばよい。また、Kyndryl Bridgeに可視化を行うダッシュボード機能を追加し、製品製造国の追跡を実現したという。将来的には委託先の管理や構成の履歴管理、セキュリティ順守状況の把握なども見据えている。
他方でキンドリルジャパンは、積極的に顧客のAWS環境構築や運用を支援してきた。これまでも各組織におけるセキュリティ統制に対応したクラウド環境の構築や、ビジネスを加速させるために、アプリケーションの事前定義済みパイプラインを含む継続的インテグレーション/継続的デリバリー(CI/CD)環境の構築、業務内容に適したテンプレートを定義化して、クラウド利用の社内統制および標準化を促している。
キンドリルジャパン 執行役員 クラウド事業本部長の橋本寛人氏はサービスについて、「一連の運用をわれわれが行うマネージドサービス監修用サービスもオプションで用意している」と説明した。昨今は各社が同様のサービスを提供しているが、Ingram氏は「既に富士通のメインフレームから移行するケースもある。弊社のツールを生かして移行につなげていきたい。また、富士通との関係も大変良好。一つの生態系として確立するよう推進する」と支援体制を説明した。
同社はハイパースケーラーを備える各クラウドサービスへの対応や、VMwareのライセンス料金変更に伴いアドバイザリーサービスも提供している。日本のIT環境についても「インフレが現実的となった。日本は長い間、インフレを経験しない状況が続いていたが、人件費や電力が高騰する状況を課題としている顧客CEOは多い。われわれは顧客企業のITコスト削減支援を今後も続けていく」とIngram氏は述べている。