シスコ、「Cisco Live」を踏まえた国内戦略を発表–NX事業が本格始動
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シスコシステムズは7月16日、米Cisco Systemsが6月に開催した年次イベント「Cisco Live 2024 LasVegas」の発表を踏まえた国内戦略を説明した。
シスコシステムズ 執行役員 ネットワーキングエクスペリエンス事業担当の高橋敦氏は、オンプレミスとクラウド運用の統合プラットフォーム「Cisco Networking Cloud」について、「組織が直面するネットワークの複雑性・管理性・可視性の課題を解決し、IT環境をシンプルに管理できることを目指している」と優位性を主張している。
同社は「企業が直面する複雑なIT環境をシンプルに管理できることを目指し、グローバル企業から中小企業まであらゆる規模の企業にとって接続性とセキュリティを統合的に提供する唯一の方法」を実現するのが、Cisco Networking Cloudだと位置付けている。同サービスはドメインをまたがるネットワークのエンドツーエンドアシュアランス(保障)とAI/機械学習(ML)活用の実現や、セキュリティポリシーの共通化などを行う。
Cisco Networking Cloud自体は2023年6月に未来像を発表し、段階的に機能を拡充している。「先月のCisco Live 2024 in LasVegasでは、AIのさらなる活用ネットワーキングとセキュリティとの統合、および運用のシンプル化を発表」したと高橋氏は説明した。
今後についても「インターネット上のユーザーエンドポイントからアプリケーションまでを可視化する『Cisco ThousandEyes』で従来の監視システムを超えた情報を提供し、収集データのAI分析やクローズドループを自動化する『Digital Experience Assurance』。『Cisco Secure Connect』を新たなエンジンとして組み込み、ネットワーキングクラウドとセキュリティクラウドを統一した『Secure Networking』を日本市場においてもっとも注力する」と高橋氏。
なお、シスコシステムズは、Catalystシリーズを扱うエンタープライズネットワーキング事業とMerakiのメラキ事業を統合し、ネットワークエクスペリエンス(NX)事業として2024年8月から本格活動を開始するという。
インフラ関連で本命となる「Cisco Nexus HyperFabric AI Cluster with NVIDIA」は、「企業がAIを自社活用する際にアプリケーションを開発・運用するインフラやスキルセットなど多くの課題をシンプルに提供するソリューション」であるとシスコシステムズ クラウド&サービスプロバイダーアーキテクチャ事業 クラウドアーキテクチャ事業部長の鈴木康太氏は説明する。
協業を開始したNVIDIAの開発者と共同開発し、NVIDIA MGXアーキテクチャーなどを活用して、「NVIDIA AI Enterprise」を含めた統合スタックを備えるソリューションだ。運用面は負荷軽減を目的にした「Nexus Dashboard 3.2」「Cisco Nexus one fabric experience」などを提供する。
Cisco Live 2024 in LasVegasの発表内容
シスコシステムズ 石原氏
セキュリティ面は既存ソリューション「Cisco Security Cloud」の強化が主な内容だ。シスコシステムズ 執行役員 セキュリティ事業担当の石原洋平氏によると、データセンターおよびクラウド向けのセキュリティ製品である「Cisco Security Access」は、「2023年10月の国内リリース以降、2桁の顧客企業、数十万ユーザーの利用」を実現したという。その理由として、同社はネットワークインフラとの親和性や、ゼロトラストネットワークとVPN as a Serviceのシングルエージェント提供など信頼性の高さが功を奏していると説明した。
Cisco Security Cloudに含まれる「Cisco Hypershield」はアプリケーション間通信の可視化と自律セグメンテーションや、優先度の高い脆弱(ぜいじゃく)性を迅速かつ効率的に対応しつつ、ポリシー適用およびバージョンアップの工数改善と、3つの概念から生まれた製品である。ほかにもCisco Security Cloudを運用・管理する「Security Cloud Control」や「Cisco AI Assistant for Firewall」の日本語対応、Cisco Secure Firewall 1200シリーズの紹介が行われた。