福島銀行、AWSで稼働する新勘定系システムの運用を開始
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福島銀行は7月16日、SBI地方創生バンキングシステムとフューチャーアーキテクトが共同開発した「地域金融機関向けのクラウドベースの勘定系システム」による新勘定系システムの本番運用を開始したと発表した。運用ではキンドリルが支援する。
同行は、2019年11月にSBIホールディングスと資本業務提携契約を締結し、2023年年末までの前中期経営計画におけるDX推進の主要施策の一つとして、今回の新勘定系システムの準備を進めてきた。
地域金融機関向けのクラウドベースの勘定系システムは、SBIホールディングス傘下のSBI地方創生バンキングシステムとフューチャーアーキテクトがゼロベースで共同開発した地域金融機関向けの勘定系システムになり、Amazon Web Services(AWS)上で稼働する。同システムの採用は福島銀行が初になる。
福島銀行は新システムの特徴として、(1)ゼロベースで構築、データをシンプルに、(2)デジタルベースによりペーパーレス・印鑑レス、(3)フルオープンAPIにより簡単外部連携、(4)ルールエンジンで開発スピードアップ、(5)クラウド化およびシステム賃借によりコスト削減――の5つを挙げる。
(1)では、新システムをゼロベースで構築することにより、「銀行中心」から「顧客中心」のデータの持ち方を実現し、顧客にとって手続きが簡素化され、業務効率化も図っているとする。(2)ではタブレット端末やセルフキャッシャーの導入で、銀行事務を紙からデジタルベースに移行して、顧客の利便性を向上させながら、紙への印刷コストの削減や店舗の省スペース化などの業務効率化を実現できるという。
(3)では、FinTech企業などの新しい金融商品やサービスを取り入れやすいシステムになったことで、顧客へ迅速に新サービスを提供することが可能になったとする。(4)では、「条件」と「アクション」の組み合わせで構成されるビジネスルールを事前にシステム内に構築して、システム開発の時間を大幅に短縮する。(5)では、同システムがSBIグループの「SBI 金融クラウド」環境で稼働することやシステムを賃借することによるコスト平準化の実現になるという。
新システムについてSBI地方創生バンキングシステムは、「AWS上で設計・構築され、高い拡張性を有するほか、全ての勘定系プログラムがAPIを通じてあらゆるシステムに接続できる、機能の新規・追加開発を低コストかつ短期間で実現する。これにより経営環境の変化に合わせたスピーディーかつ柔軟な商品・サービスの開発・提供を行うアジャイル経営の推進力となる」とした。
また、フューチャーアーキテクトは、「銀行ごとに異なるビジネスルールや商品、サービスをルールエンジン化することで、コアプログラムに修正を加えることなく、新たなキャンペーンの展開や既存サービスの改修を低コストで実現する。さらに、各システムに分散する顧客情報を一元化することでリアルタイムデータを活用した経営分析や戦略立案を可能にし、窓口用の専用端末を不要とする形で店舗業務のデジタル化を実現することでコスト削減や業務効率化を図る」と説明している。
キンドリルは、新システムの運用の中核を担当しているとし、同社の統合監視ツールである「Monitoring & Event as a service」を活用してアラートやイベントの管理、通知の自動化など運用業務の効率化による、最小限のオペレーション体制での高品質な運用を推進するという。また、サイト信頼性エンジニアリング(SRE)による開発を含めたシステム全体のサイクルを意識した運用プロセスに基づくシステムの品質確保や信頼性向上を図るほか、バンキングシステムに関する事業運営に関するアドバイザリーサービスも提供し、福島銀行における非常時のシステム継続計画の策定も支援したとしている。