「4MLinux」レビュー–初期の「Linux」風の雰囲気を備えた個性的なディストロ
今回は「「4MLinux」レビュー–初期の「Linux」風の雰囲気を備えた個性的なディストロ」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
筆者は「Linux」を長年使用してきたので、昔使っていたものと少しでも似たアプリケーションやデスクトップを見ると、胸が暖かくなるような、何とも言えない気分になる。
確かに、それは大げさな表現かもしれないが、少なくとも笑顔になるのは事実である。
誤解しないでほしいのだが、筆者はモダンな外観のデスクトップ(ありがたいことに、視覚的に美しい要素がちりばめられている)が大好きだ。しかし、Linuxを使い始めた頃は特別な時期だったので、あの時代の雰囲気をもう一度体験することに抵抗は全くない。
「4MLinux」は、機能を重視した軽量のLinuxディストリビューションで、古いコンピューターを新しくよみがえらせることができる。名称の4Mは、「Maintenance」(メンテナンス)、「Multimedia」(マルチメディア)、「Miniserver」(ミニサーバー)、「Mystery」(ミステリー)の4つのMを表している。
これはどういう意味なのだろうか。答えは簡単だ。4MLinuxは、レスキューCD(Maintenance)として機能し、多数のマルチメディアファイル(Multimedia)を完全にサポートする。さらに、FSP、FTP、HTTP、NBD、NFS、NTP、rlogin、SSH、Telnet、TFTPのサーバーとして使用することも可能だ(Miniserver)。「Mystery」については、デスクトップメニューに「Mystery」と名付けられた項目が実際に存在し、そこから多数の楽しいゲームにアクセスしてプレイすることができる。
それでは、4MLinuxは読者の皆さんにとって有力な選択肢になり得るのだろうか。詳しく見ていこう。
古いLinuxディストリビューションを少しだけ改良して、Linuxの使用経験はあるが超モダンなデスクトップが好きではない人や、古くなったコンピューターをよみがえらせる必要のある人が検討したくなるディストリビューションに変身させたらどうなるか、想像してみてほしい。
さらに、「Joe’s Window Manager」のおかげで、「Pantheon」と「Enlightenment」を組み合わせたものがそのディストリビューションのデスクトップになっているとしたら、どうなるだろうか。4MLinuxはほかのディストリビューションとひと味違う。
ほとんどのLinuxディストリビューションでは、パッケージマネージャーとGUIフロントエンドによって、アプリケーションのインストールプロセスが簡素化されていることをご存じだろうか。4MLinuxは、「Extensions」(拡張機能)という全く異なるアプローチを採用している。
デスクトップメニューを開くと(デスクトップの任意の場所をクリックするか、あるいは、画面の左上にあるアイコンをクリックすると、アクセスできる)、「Extensions」という項目がある。「Extensions」をクリックすると、「Office」や「NetApps」「MediaApps」など、いくつかのサブメニューが表示される。これらの項目のいずれかをクリックすると、関連するアプリケーションが一覧表示される。例えば、「LibreOffice」をインストールしたいとしよう。「Extensions」>「Office」と進んで、LibreOfficeをクリックすると、プロンプトが表示されるので、「y」と入力する。インストールが開始され、約1~2分で完了する。
しかし(そして、これは重要な問題だ)、アプリケーションをインストールする前に、まず4MLinuxをインストールする必要がある。もちろん、4MLinuxをポータブルライブディストリビューションとして実行することも可能だが、ハードドライブにインストールしたい場合は、いくつかの難関を乗り越える必要がある。
主要なディストリビューションと異なり、4MLinuxでは、現代的なインストーラーが提供されていない。代わりに、ユーザーは「GParted」(「Maintenance」>「Partitions」にある)でハードドライブをパーティション分割した後、テキストベースのインストーラーを実行する必要がある。インストーラーはユーザーに対し、OSを格納するパーティションを選択して、ルートユーザーのパスワードを追加し、4MLinux以外のOSをインストールするかどうかを明示するよう求める。これが完了したら、システムを再起動しよう。
ここで、少し問題が生じる。ドキュメントには、4MLinuxの標準ユーザーを作成すべきではないと書かれているが、これは筆者の信念に完全に反することだ。試しに、新しいユーザーを作成して、そのユーザーとしてログインしようとしたが、うまくいかなかった。ウィンドウマネージャーを終了した後、標準ユーザーとしてログインし、startxコマンドを実行しても、うまくいかない。