日本でマイクロセグメンテーションが人気に–イルミオ日本のマッケレン代表
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サイバーセキュリティ分野でマイクロセグメンテーション技術を手掛ける米Illumioは、2021年に日本市場でビジネスを開始し、2023年12月からその展開を加速させている。同年にリージョナル・ヴァイスプレジデント・ジャパンに就任し、日本法人イルミオ・ジャパンをけん引しているDarren McKellin(ダレン・マッケレン)氏に、日本の事業戦略を聞いた。
同社は、ゼロトラストセキュリティモデルに基づくマイクロセグメンテーション技術のセキュリティソリューションを手掛ける。IT環境内を論理的にきめ細かく区分することで、通信やデータなどの状況をリアルタイムに可視化するとともに、特定の区分が万一サイバー攻撃などによる侵害を受けた場合に、その区分を隔離することによって侵害の広がりを封じ込め、影響を最小減にとどめられるとする。
McKellin氏は、「私が就任してからの11カ月間で、マイクロセグメンテーションに対する認知度が飛躍的に高まっている」と述べる。
同氏は、就任後に日本での事業体制を大幅に拡大させており、以前はアジア太平洋地域の所管だったイルミオ・ジャパンの位置付けも米国本社直轄に昇格。「本社は日本市場のビジネスがグローバル全体の成長をけん引するものになると認識しており、CEOのAndrew(最高経営責任者のAndrew Rubin氏)をはじめ経営陣が頻繁に来日するなど、日本への投資を拡大させている」(McKellin氏)
CEOのRubin氏は、2023年12月のマクニカとの代理店契約の締結を発表して以降、2024年4月にはゼロトラストセキュリティの提唱者で同社チーフエバンジェリストのJohn Kindervag氏らと来日。今秋にも再びボードメンバー陣と来日する予定だという。
国内では、特にセキュリティ対策に保守的な製造業大手から多数の引き合いが寄せられているという。McKellin氏は、「われわれはメーカーであり、お客さまには販売パートナーを通じてソリューションを提供する立場にあるが、伝統的な産業分野のお客さまがマイクロセグメンテーションに関心を寄せているのは、ランサムウェア攻撃によるインシデント被害などへの対応があるのではないか」と話す。
McKellinは、日本に約30年在住し、近年にはZscalerの日本カントリーマネジャーやNetSuite Japanのゼネラルマネージャーを歴任。それ以前には、ベライゾンジャパンやボーダフォン(現ソフトバンク)などの幹部職を務めた。
「Illumioへの参加を決めたのは、優れたマイクロセグメンテーション技術にとても興味があり、この分野で大きなアドバンテージになると感じたからになる。私自身もNetSuiteやZscalerで日本のビジネスを立ち上げから成長フェーズに発展させたことがあり、今度はIllumioでこの経験を発揮したいとビジネスに臨んでいる」
McKellin氏は、製造大手に続いて金融大手の顧客獲得を目指すと話す。6月に金融庁が「金融分野におけるサイバーセキュリティに関するガイドライン」(案)を公開するなど、同業界でのサイバーセキュリティ投資が加速すると期待している。「ガイドライン案の中でもセグメンテーションの重要性が挙げられている。海外市場でも『GDPR(欧州一般データ保護規則)』などの規制の導入や強化がビジネス拡大の契機となった場合がとても多い」
ここでは、ビジネスパートナーのNRIセキュアテクノロジーズらと顧客拡大を図っていくほか、マクニカとはマクニカの2次販売パートナーなどとの協業拡大を進めていく考えであるという。
McKellin氏は、「実績が豊富でとても優秀なチームのメンバーと日本のビジネスを推進していくことができている。われわれは短期での急成長を狙うことはせず、堅実にビジネスを伸ばしていく。いずれ『マイクロセグメンテーションと言えばイルミオ』と呼ばれるようなセキュリティのリーダー的存在になれることを目指している」と語る。