Colt、西日本でのネットワーク拡張に富士通のトランスポートブレードを採用

今回は「Colt、西日本でのネットワーク拡張に富士通のトランスポートブレードを採用」についてご紹介します。

関連ワード (ネットワーク等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Coltテクノロジーサービスは11月28日、企業戦略説明会を開催した。アジア太平洋地域(APAC)における戦略を中心に、同日付で発表された富士通とのパートナーシップについても詳しい説明があった。

 Coltテクノロジーサービスは、6月に東南アジア6カ国における事業拡大を発表しており、メトロエリアネットワークを含めたサービスの拡張を行っている。これに加えて今回、オーストラリアのシドニー都市部のネットワークを拡張することを発表した。シドニーの約250の商用ビルと20以上のデータセンターへのネットワークアクセスを実現するという。最大で400Gbpsの都市部接続と最大10Gbpsの国際接続を提供し、広帯域幅を必要とする企業のニーズに応えるとしている。

 Coltの専用線サービス「Colt Wave」やセルフオーダー式ネットワークサービス「Colt On Demand」、「Colt IP VPN」などのサービスの販売は2024年12月、デリバリーは2025年3月からを予定している。

 富士通とのパートナーシップにおいては、トランスポートブレード「Fujitsu Network 1FINITY T900/T950」(1FINITY)を国内のColtネットワークで採用するという。1FINITYは、光1波長当たり毎秒1.2Tbpsの大容量データを送信できる光送受信機。独自のクローズドループ水冷技術を用いており、従来の空冷システムと比較して2倍の冷却能力と、発生する騒音を50%低減している。

 冷却構造を全て装置内に収めるクローズドな水冷技術を用いているため、新たな設備工事が不要で、従来と同じハードウェア構成になっているため、顧客は従来のネットワーク機器と同じ取り扱いをしながら、スムーズに現場に適用できるようになったという。

 今回、Coltテクノロジーサービスでは、2025年の稼働を目指して広島、岡山、福岡の3拠点で進めている西日本でのネットワーク拡張に1FINITYを活用する。1FINITYとColt Waveを用いて2023年7月に両社が実施した実証実験では、東京と大阪を結ぶ約600kmにおいて商用長距離ネットワークの1波長当たりの最大伝送速度について800Gbpsを達成したという。

 英Colt Technology Services アジア太平洋地域社長の水谷安孝氏は1FINITYについて「大容量というのはもちろんだが、最大の魅力は電力。どの会社でも、電力に対してサステナビリティーの観点や、電力不足を危惧する経営層も見受けられる。富士通の水冷による装置が群を抜いて性能が高い。加えて、当社のグローバル戦略にある『サステナビリティーバイデザイン』にも合致している」と説明した。

 説明会に登壇した富士通 ネットワークビジネスフロント本部 マーケティング統括部 統括部長の島田裕二氏は「1FINITYは大幅なグリーン化を実現しており、サステナブル(持続可能)なカーボンニュートラル社会の実現に貢献していきたい」とし、またColtテクノロジーサービスとの連携においては「国産技術による高い性能、国内製造での高い品質、グローバルベンダーとしてのサポート体制により、Coltの安全なネットワークサービスの運用を支えていきたい」と意気込みを語った。

 Coltテクノロジーサービスはグローバルでの展開として、RIVADAとのパートナーシップを締結している。RIVADAは、低軌道(LEO)衛星を約600基打ち上げ、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)の構築を目指している。水谷氏は「軌道上に600基の衛星が打ち上がり、それがMPLSネットワークを構築できれば、恐らく光ファイバーよりも遅延値が低い長距離の通信ができるのではないかと見据えている。当社としてもRIVADAとパートナーシップを組み、2025年の打ち上げに対してどのようなことができるのかを考えている」という。

 次に、アジア市場におけるGo-to-Market戦略について、Coltテクノロジーサービス 代表取締役 兼アジア営業担当 バイス・プレジデントの大江克哉氏が説明した。国内においては西日本におけるネットワーク拡張を進めており、2025年後半に岡山、その後に広島、九州という順番で高速ファイバーを伸ばしていく計画だとしている。

 APAC成長戦略では、(1)グローバル営業体制、(2)キャピタルマーケット・アップリフト、(3)システムインテグレーター(SI)成長モデル――の3本の矢で推し進めていく。(1)では、欧州などに本社を置く企業がアジアに進出した際と、APACに本社を置く企業が欧州に進出した際のサポート体制を整えた。多国籍企業に対してはアジア進出をサポートする「APACセールススペシャリスト」を立ち上げ、逆にAPACの企業に対しては欧州への進出をサポートする「グローバルセールススペシャリスト」を設置した。大江氏は「グローバルワンチームで当社のカバレッジの一括提供を目指している。当社はKVHからスタートしていることもあり、日本語サポートが強い。ワンストップ・多言語の提供を目指す」という。

 (2)ではキャピタルマーケットのアップリフトを行う。同社はこれまで高速・低遅延のファイバーネットワークを提供し、証券取引所同士を接続してきた。アジアではリアルタイムな取引データや株価データを集約し、トレーダーや顧客に提供するサービスを実施している。このサービスを2024年末から2025年にかけて、ニューヨーク証券取引所(NYSE)、NASDAQ、OPRA(Options Price Reporting Authority)のデータも含めて提供できるようにする。これにより、顧客に対する取引データの量や密度の増加に加え、高速ファイバーの需要が高まることから大きく伸ばしていきたいとしている。

 (3)では、日本の顧客の要望に基づいたネットワークサービスを提供する。既にシステムインテグレーター(SIer)にヒアリングし、日本基準の必要最優先項目として44項目をアクションプランに落とし込んでいる。項目としては、メンテナンスの頻度や通知ポリシーの変更など日本向けの運用を目指しているという。同氏は「アジアへの投資が向いている。2025年以降、2桁成長を目指しながら頑張りたい」と説明した。

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