Snowflake、「オープンカタログ」など「BUILD 2024」の製品強化を説明

今回は「Snowflake、「オープンカタログ」など「BUILD 2024」の製品強化を説明」についてご紹介します。

関連ワード (データマネジメント等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Snowflakeは11月28日、開発者向けイベント「BUILD 2024」で発表された製品アップデートに関する記者説明会を開催した。

 執行役員 セールスエンジニアリング統括本部長の井口和弘氏によると、Snowflakeは現在、世界中で1万社以上の顧客を抱え、75万人超の開発者が利用している。1日に処理されるジョブ数は50億件を超え、99.99%の稼働率を維持している。

 多くの企業がデータサイロの問題に直面しており、部門ごとや国を越えたデータの連携が難しく、ユースケースやビジネスアプリケーションの相互参照が困難となっている。特にグローバル製造業では、国を越えてデータを共有する方法が求められている。企業間のデータコラボレーションも重要なテーマとなっている。

 6月の年次カンファレンス「Snowflake Data Cloud Summit 2024」では、「AIデータクラウド」の重要性が強調された。AIを効果的に活用するためには、構造化データと非構造化データの両方が必要となるが、バラバラの状態だとセキュリティやコストの問題が発生する。「Snowflakeのシングルプラットフォームアーキテクチャーは、データを一元的に管理することをコンセプトとしている。また、クロスクラウドやクロスリージョンでの対応も実現している」と井口氏は強調する。

 Snowflakeは現在、「ニーズに応じた柔軟なデータとアーキテクチャー」「信頼できるエンタープライズAIと機械学習(ML)」「データとAIのための比類なきコラボレーション」の3つの柱を中心に開発を進めており、BUILD 2024でもこれらのテーマに基づいて発表が行われた。

 まず、「ニーズに応じた柔軟なデータとアーキテクチャー」では、「Snowflake オープンカタログ」が一般提供(GA)となった。これは、「Apache Iceberg」テーブル向けのオープンソースカタログサービス「Apache Polaris」のマネージドサービスになる。これによって、全てのIceberg RESTエンジンのガバナンスを一カ所で管理できるようになる。また、「ドキュメントAI」もGAになった。ドキュメントAIは、大規模言語モデル(LLM)によって非構造化ドキュメントを構造化テーブルに変換する、フルマネージドワークフローである。

 「Snowflake Horizonカタログ」では、脅威防止とセキュリティ監視の機能が強化された。具体的には漏えいしたパスワードに対してビルトインの保護機能を提供し、データ流出の可能性を低減する「漏えいパスワード保護」(LPP)のGA、アカウントのセキュリティ状況を評価・監視する「Trust Center」の拡張、データのプライバシーを保護しながら分析を可能にするための統計的手法「差分プライバシーポリシー」になる。

 「ハイブリッドテーブル」がGAとなってことで、Snowflakeのシングルプラットフォーム上でオンライントランザクション処理(OLTP)とオンライン分析処理(OLAP)の両方のワークロードに対応するデータ基盤を構築できるようになった。

 次に「信頼性の高い企業AIとML」では、「Snowflake Intelligence」が発表された。自社データ全体に対してビジネス上の質問を簡単に投げかけるだけで、データ主導型の回答が得られ、そのインサイトに基づいてアクションを実行するデータエージェントを数ステップで作成できるようになるという。近日中にプライベートプレビューが開始される予定。

 また、単一のAPIでエンタープライズデータに基づいた回答をアプリに提供する「Cortex Chat API」も発表された。これは、構造化データを分析する「Cortex Analyst」、非構造化データを検索する「Cortex Search」、フルマネージドLLMサービス「Cortex LLM」といった同社の複数のCortexサービスに接続するREST APIとして機能し、構造化/非構造化データから関連情報を取得するためのオーケストレーションが可能になる。

 その他には、「Llama 3.2」によるマルチモーダル対応や、生成AIアプリを評価・監視する「AIオブザーバビリティ」、「Snowflake Marketplace」でサードパーティーによって提供される非構造化データとチャット形式でのやりとりが可能になる「Cortex Knowledge Extension」、「SharePoint」からファイルを取り込み、独自のAIアシスタントに接続できるよう準備するコネクター「Snowflake Connector for SharePoint」、「Python」「SQL」「Markdownを組み合わせたセ
ルベースの統合開発環境「Snowflake Notebooks」、Snowflakeで推論を行うモデルのパフォーマンス指標をモニタリングするための組み込みツール「MLモデルのためのオブザーバビリティ」といった機能も紹介された。

 最後の「データとAIのための比類なきコラボレーション」では、社内のチームが共有する全てのデータプロダクトのディレクトリーとなる「インターナルマーケットプレイス」がGAとなった。これにより、他のチームや事業部門が提供する、利用可能なデータ、アプリ、AIプロダクトを素早く発見できるようになる。

 Cortex Fine Tuned LLMモデルの重みをリージョン内のアカウント間で安全に共有する機能も発表された。ファインチューニングされたモデルを共有することで、生成AIのユースケースのコラボレーションと本番導入が容易になるという。

 複数のクラウドリージョンにデータやアプリを共有する際に、重複するエグレスコストを削減する「エグレスコストオプティマイザー」が近日中にGAとなる。

 また、全てのユーザーは「Snowflake Native Apps」と「Snowpark Container Services」を組み合わせ、高度なアプリを構築・実行できるようになった。さらに、SnowflakeMarketplaceを通じて配布・収益化することも可能という。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
慶應SFC、“触れて選べる”インタラクティブ動画を作成–志願者の理解促進へ
IT関連
2023-04-25 17:07
ベリサーブ、IoTデバイスの互換性検証をサブスクリプションで提供
IT関連
2022-08-25 19:55
月を目指す日本人宇宙飛行士の募集に向けJAXAがイベント 18日にYouTubeで 募集条件の緩和も
くらテク
2021-02-10 23:33
「Outlook.com」、障害から復旧–原因は「最近の変更」
IT関連
2023-02-09 03:04
Twitter、青バッジ認証を一時停止 申請殺到でバックログ山積
アプリ・Web
2021-05-30 07:39
第3回:分断された世界をつなぐMDM
IT関連
2022-02-22 10:55
世界中のITエンジニアが悩まされている原因不明でテストが失敗する「フレイキーテスト」問題。対策の最新動向をJenkins作者の川口氏が解説(前編)。DevOps Days Tokyo 2022
CI/CD
2022-06-06 20:34
DMMがMySQLのリプレース先としてGoogle Cloud SpannerとTiDBを比較、採用したのはTiDB。比較内容や結果を語る[PR]
Google Cloud
2024-09-11 02:24
民意とすれ違う聖火リレー、止められないテレビの美談報道とネット反応の転換期 :小寺信良のIT大作戦(1/2 ページ)
トップニュース
2021-05-16 21:39
フロッピーディスクは今なお現役–発展の歴史と現在の用途
IT関連
2024-06-05 10:04
リサイクルのRedwood MaterialsがProterraと提携しEV用バッテリーの原材料を持続可能なかたちで供給
EnviroTech
2021-03-31 11:15
Webデザインツール「Figma」がアドビに買収へ。今後はPhotoshopやLightroom、Illustrator、InDesignなどの部門長の配下に
Adobe
2022-09-16 01:28
産業や気候変動モニタリングで重要な赤外線と熱放射を観測する衛星画像のSatellite Vuが5.4億円調達、2022年に衛星打ち上げへ
宇宙
2021-04-26 09:55
ファンケル、クラウド営業支援ツールを導入–属人化の脱却やナレッジ共有など目指す
IT関連
2023-06-23 12:35