生成AIの検討中と導入後で生じる意識のギャップ–Box調べ

今回は「生成AIの検討中と導入後で生じる意識のギャップ–Box調べ」についてご紹介します。

関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Box Japanは、国内企業を対象に実施した「企業における生成AIの活用に関する意識調査」の結果を発表した。生成AIサービスを導入済み、導入検討中の企業の利用者と管理者の意識の違いを分析している。

 調査は、10月4~7日にインターネットで行い、20~60代の男女1200人から回答を得た。回答者の内訳は生成AI導入済み企業の利用者が400人、導入済み企業の関与者または運用管理者が200人、導入検討企業の関与者が400人となっている。

 まず導入済み企業の関与者または運用管理者(200人)に課題や不安を尋ねた結果(複数回答)では、「社員が使いこなせるか」と「機密情報や個人情報が見えてしまうのではないか」がそれぞれ36.5%で最も多く、以下は「偽情報・誤情報に気付かず発信、拡散してしまわないか」(34.0%)、「社内の情報が大規模言語モデルに学習されて漏えいしてしまうのではないか」(33.5%)、「他人の知的財産、著作権を侵害しないか」(29.0%)など、セキュリティや不適切な利用に関する不安が上位を占めた。

 他方で、導入検討企業の関与者(400人)に対する同じ質問(複数回答)では、「社員が使いこなせるか」(32.8%)や「IT管理者が適切にサービスを運用管理できるか」(28.8%)、「多くの社員に利用が浸透するのか」(28.3%)など、利用の見通しへの不安が上位だった。

 さらに、導入済み企業の利用者(400人)では、「欲しい情報や回答が得られない」(31.8%)が最も多く、以下は「偽情報・誤情報に気付かず発信、拡散してしまわないか」(30.3%)、「課題や不安を感じることはない」(26.0%)、「他人の知的財産、著作権を侵害しないか」(22.0%)など、導入関与者/運用管理者の意識とも違いが見られた。

 生成AI導入済み企業の選定理由と、導入検討中の企業の関心点にも違いが見られた。

 導入済みの関与者または運用管理者(200人)が回答した選定理由では、「利用できる機能が多いから」(40.0%)、「システムの導入・運用が簡単だから」(38.0%)、「現在使用しているサービスに簡単に追加できるから」(35.5%)、「応答速度が速いから」(35.0%)など、使い勝手や性能を重視するものが上がった。

 一方で、導入検討企業の関与者(400人)が上げた最多回答は、「セキュリティ面が担保されていること」(45.8%)だった。以下は「システムの導入・運用が簡単であること」(35.0%)、「回答の正確性」(34.5%)、「実際の料金があらかじめ分かること」(27.3%)、「利用できる機能の多さ」(27.0%)で、課題や不安と同様にセキュリティを重視した回答が多かったとしている。

 ユーザー1人当たりの生成AIサービスの月額料金については、導入検討企業の関与者(400人)では、「まだ導入予算を検討していない」(27.5%)を除くと、「2000円以上3000円未満」が21.0%で最も多く、「1000円以上2000円未満」(14.8%)、「3000円以上4000円未満」(11.8%)、「4000円以上5000円未満」(8.8%)の順だった。

 導入済み企業の関与者または運用管理者(200人)では、「3000円以上4000円未満」が20.5%で最も多く、「2000円以上3000円未満」(18.5%)、「1000円以上2000円未満」(15.0%)、「5000円以上」(15.0%)、「4000円以上5000円未満」(14.5%)の順となり、生成AIの料金に関しては検討時よりも導入後の方が高額になる傾向にあった。

 生成AI導入済み企業でさらなる生成AI活用に必要なポイントに挙げられたのは、利用者(400人)では「高い回答精度」(53.7%)や「適切なプロンプトを書けるスキル」(38.1%)など、関与者または運用管理者(200人)では「ユーザーのITリテラシーの向上」(37.6%)や「生成AIで利用するファイルの整理」(36.0%)などと、ここでも違いが見られたとしている。

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