生成AIはエージェント機能で効率化を超えた新次元へ–日本MS・津坂社長

今回は「生成AIはエージェント機能で効率化を超えた新次元へ–日本MS・津坂社長」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 2025年に向けたIT企業のトップメッセージや年頭所感を紹介する。

日本マイクロソフト 代表取締役 社長 津坂美樹氏

 新春を寿ぎ謹んでごあいさつ申し上げます。

 2025年マイクロソフトは創立50周年を迎えます。中でも日本法人は初の海外拠点として米国に次いで長い歴史を有しており、半世紀近くもの間、日本社会や多くのお客さまに育てていただきました。3月には「2025年日本国際博覧会」(大阪・関西万博)が開催され、テクノロジーやイノベーションへの国民的な関心が一層高まる年となることが予想されます。生成AIの活用もさらに深化し、企業や社会の変革が加速するでしょう。この記念すべき年に、日本マイクロソフトはお客さまやパートナーさま、全ての関係者の皆さまと新たな成長のフェーズへと歩を進めて参ります。

 2024年は、私たちにとって挑戦と飛躍の一年でした。

 多くの企業と戦略的パートナーシップの締結と拡大、AIによる業務の自動化やデータ活用、現場でのローコード開発などさまざまな新しい取り組みに挑み、ビジネスの成長をともに実現して参りました。デジタルトランスフォーメーション(DX)においても、多くのお客さまが「Microsoft Azure」を活用し変革を加速されています。このような数多くのお客さまやパートナーさまの成功に支えられて、日本マイクロソフトは2024年に引き続き、世界でトップクラスの成果を達成いたしました。これはひとえに全ての関係者の皆さまのおかげであり、心より感謝申し上げます。

 2024年4月には前内閣総理大臣の岸田文雄氏ご臨席のもと、日本国内のデータセンターに対する2年間で4400億円の投資、3年間で300万人へのリスキリング機会の提供、「マイクロソフトリサーチアジア東京」の開設、日本政府とのサイバーセキュリティの連携強化――の4つの取り組みを発表しました。

 特にリスキリングでは、既に多彩なプログラムを開講しています。例えば女性を支援する「Code; Without Barriers (コードウィズアウトバリアーズ)」では、参加者の8割がこれを機に生成AIに初めて触れ活用を学んだほか、全国の教員や学生の皆さまがAIの仕組みや安全性について学びました。2024年11月に開所したマイクロソフトリサーチアジア東京は、東京大学や慶應義塾大学をはじめとする日本の研究者と連携し、新たなテクノロジーが生まれるエコシステムを育みます。特に日本社会固有の課題解決につながる研究成果に期待しており、日本マイクロソフトも全力で活動を支援して参ります。

 セキュリティはマイクロソフトの至上命題です。2023年11月に導入した「セキュア フューチャー イニシアチブ」は、マイクロソフト、お客さま、そして業界全体のセキュリティ保護を推進しており、これまでに3万4000人のフルタイムエンジニアと同等の人員が関わっています。政府との連携を通じ、日本においても対策の強化に努めて参ります。

AI活用の新たなフェーズへ

 2025年は、マイクロソフトにとって「生成AI 3年目」です。2023年にリリースした「Copilot」は私たちのあらゆる製品に組み込まれ、どこからでも生成AIを体感できる「AIのユーザーインターフェース(UI)」として、とてつもないスピードで進化を続けています。日本のお客さまやパートナーさま、開発者の皆さまからいただくフィードバックは、日本語をはじめとする言語の品質改善など、Copilotの全体的な機能の向上に結び付けています。お叱りの声もお喜びの声も全てが私たちにとってかけがえのないギフトであり、厚く御礼申し上げます。

 2025年は特にAIが自律的にタスクを実行する「エージェント」機能の拡充を掲げており、より広範な分野でビジネストランスフォーメーションを促進し、革新的な価値を生み出す起爆剤となるでしょう。高齢化、労働人口減少という社会課題を抱える日本にとって、生成AIは単にビジネスを効率化し、人々の生活を便利にすること以上のインパクトをもたらしうると感じています。日本はAI活用が遅れていると言われがちですが、マイクロソフトにおける日本のお客さまの導入は世界でもトップクラスです。効率化によって生み出された時間と労働力をイノベーション創出や新しい働き方の促進に再投資される先進的な事例も生まれています。AIで業務や組織構造を最適化するフェーズから、競争力や企業価値を高める新たなフェーズへ――私たちも共にさらなる進化を目指して参ります。

日本のCopilotとして

 マイクロソフトには「Customer Zero」という取り組みがあり、あらゆる製品はお客さまの手元に届ける前に社内で試して改良を重ねています。2024年、日本の社員のCopilotの使用率は世界でもトップクラスに輝くなど、役員から新入社員に至るまで一丸となってAIスキルを磨き、業務改善と組織の活性化に励みました。こういった私たち自身の取り組みもソリューションとして提案しており、お客さまからは経営者や役員が自らAIを使うことで組織での活用が一層進んだというお声も頂戴しています。

 私たちは「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」というマイクロソフトのミッションに従い、大企業から中小企業、スタートアップ、政府や自治体、教育機関、民間団体、そして個人に至るまで幅広いお客さまの活動をサポートして参りました。製品、テクノロジー、そして社員一人一人の力を結集し、日本マイクロソフトは皆さまのCopilotとして、2025年もお客さま、パートナーさま、そして日本社会全体の発展に寄与すべく全力を尽くして参ります。

 日本において半世紀近くにわたって活動を続けてきた歴史の重みと責任、そして今日まで支えていただいた全ての関係者の皆さまへの感謝の念を忘れることなく、今後も誠実に、ひたむきに、安心と信頼を寄せていただける企業であり続けられるよう業務にまい進して参ります。

2025年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
Javaアプリフレームワーク「Spring」に複数の脆弱性報告–未確認情報の交錯も
IT関連
2022-04-01 23:32
第1回:3つのフェーズで理解する「メタバース」の定義と社会的意義
IT関連
2022-02-04 08:19
IdeinとAWL、エッジAIソリューションの提供に向け協業–幅広い業界のDXに貢献
IT関連
2023-08-19 04:28
日本IBM社長が説く「企業がDXを成功に導く3つのポイント」とは
IT関連
2021-04-30 00:24
「エンタープライズの5Gは始まったばかり」–エリクソンの野崎社長
IT関連
2023-02-23 05:49
マイアミのAsteyaが小企業オーナーやギグワーカー向け「収入保険」商品を発売、保険に人間らしさをもたらす
ネットサービス
2021-03-20 08:42
AkamaiのエッジとMacrometaのPaaSを組み合わせ、新たな分散型クラウドを実現
IT関連
2023-07-11 20:21
村田製作所、再委託先が7.2万件の情報を不正持ち出し IBM中国法人の社員が個人用クラウドにアップロード
クラウドユーザー
2021-08-08 01:28
「Windows 11」プレビュー版、タブレットに最適化されたタスクバーが復活
IT関連
2022-09-14 04:31
これからのオンラインサービスでキーワードになる「CIAM」とは何か
IT関連
2024-06-28 02:40
MySQLの新サービス「HeatWave」、SQLそのままで最大3000倍高速に。DMM.comが検証[PR]
MySQL
2021-05-17 06:29
家計や引っ越し、給料交渉など大学を卒業したばかりZ世代のための大人の手引書を提供するRealworldが3.7億円調達
その他
2021-04-11 10:33
Qlik、企業のAI導入を促進する「AI Council」を立ち上げ
IT関連
2024-02-03 17:53
離婚した両親の金銭トラブルを回避するアプリのEnsembleが3.3億円調達
ソフトウェア
2021-04-02 18:27