AI活用の羅針盤:ビジネスリーダーへの戦略的アドバイス
今回は「AI活用の羅針盤:ビジネスリーダーへの戦略的アドバイス」についてご紹介します。
関連ワード (データマネジメント等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
前編では、社会のさまざまな場面でデジタル化が進むにつれて、最新データをリアルタイムに反映することがビジネスにとって重要であり、データの反映が遅れるとビジネスに損失をもたらすことについて解説しました。また、従来のバッチ処理ではなくリアルタイムにデータを処理することが望ましい理由と、そのためにConfluentの製品がどのように役立つかについて説明しました。
後編では、AI、特に生成AIに焦点を当て、企業がAIを導入する際にデータストリーミングがどのように有益かを解説します。データストリーミングの導入を検討するための基礎知識を提供できれば幸いです。
現在、多くの企業がAIを活用して生産性を向上させ、価値を創出しようとしています。AIにとってデータは燃料のようなものだと言われ、大量のデータを使って学習し、蓄積されたデータを基に回答を生成します。そのため、企業がAIを効果的に活用するには、社内のデータの整備が不可欠です。
しかし、データが部署やアプリケーションごとに独立して管理されていると、データのサイロ化が進み、全体の連携が取れなくなります。その結果、各部署やアプリケーションにしか見えないデータが大量に埋もれてしまいます。AIを活用するには、これらのデータを一元的に統合し、適切に管理できるデータプラットフォームが必要になります。また、AIの効果を最大限に引き出すためには、データの品質や鮮度が重要です。クリーンで信頼できる最新のデータがなければ、AIの回答も正確ではなくなります。
例えば、航空会社の顧客に座席のアップグレードが可能かどうかを伝えるAIチャットボットには、正確でタイムリーなデータが必要です。効果的なAIは、継続的に新しいデータを取り込み、既存の知識と組み合わせて学習し続ける必要があります。
企業はIT投資において、将来のAIアプリケーションと価値創出に必要なインフラの構築に重点を置く必要があります。そのためには、最新のデータを正確に集約するデータプラットフォームが必要です。
Confluentのデータストリーミングプラットフォーム(DSP)は、リアルタイムにデータをストリーミングおよび処理するためのプラットフォームです。Confluentは、データが発生した瞬間にリアルタイム処理するように設計されており、従来のバッチ処理とは異なり、データが届くたびに即座に処理を行います。これにより、データを遅滞なく処理することができます。
また、Confluentは多くのアプリケーション、SaaS、データストアと容易に接続できる豊富なコネクターのエコシステムを持っています。こうした特徴により、AIのためにデータを整理し、実用的なインテリジェンスを提供することが可能です。
例えば、リアルタイムデータを使った継続的なトレーニング、データソースからの効率的かつ恒常的なデータ同期、AIモデルのリアルタイム適用、大量データ処理へのアクセスなどが可能になります。
欧米の事例を見てみましょう。現在の金融トレーディングでは、市場の動きにミリ秒単位で反応して意思決定を行っています。そのため、リアルタイムデータとAI分析を活用した投資判断が重要になっています。
例えば、The Financial Timesによると、JP Morganは、ポートフォリオマネージャーの意思決定をAIがチェックし、バイアスの修正やプロセスの改善を支援する生成AIツール「Moneyball」の利用拡大を計画しています。また、Voya Investment Managementも、潜在的なリスクを監視するバーチャルアナリストが信頼できる結果を出していると報告しています。
このようなケースでは、リスクに関する信頼できる洞察をリアルタイムに処理することが欠かせません。リアルタイムデータストリーミングは、企業が継続的に適応、調整し、課題を解決するのに役立ちます。
銀行の例としては、スペインの完全デジタル銀行であるEVO Bancoが、金融詐欺の防止のためにConfluentを採用しています。今日の金融機関は、新たなセキュリティ脅威に直面しています。銀行は、攻撃を防ぐだけでなく、次の攻撃を予測するソリューションを必要としています。特にデジタルバンキングサービスは悪質業者の標的になりやすいため、顧客体験を損なわずに不正行為を特定し、積極的に対応する必要があります。
EVO Bancoは、顧客を保護するために、機械学習やルールベースのビッグデータツールを使用して取引データや口座活動の異常を特定しています。不正検知システムが疑わしい活動を特定すると、リアルタイムにエンドユーザーに通知します。この即時性により、顧客の口座を保護し、EVO Bancoの評判と信頼を守られています。
EVO Bancoでは、現金自動預払機(ATM)、オンライン決済、モバイルバンキングなど複数のソースからの取引データをConfluentがリアルタイムに受信して処理しています。さらに、顧客情報や口座情報などのデータもConfluentを通じてリアルタイムの不正検出やAIモデルのトレーニングに使用されています。
「Confluent Cloud」の導入により、Evo Bancoは毎日50万件以上のトランザクションに対してリアルタイムの不正検知を行い、毎日平均500件の不正取引をブロックしています。その結果、毎週の不正損失が99%削減されました。