オラクル、最新世代の「Exadata X11M」を発表–前世代と同価格で大幅な性能向上
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日本オラクルは1月17日、「Oracle Exadata」プラットフォームの最新世代となる「Exadata X11M」を国内向けに発表した。前世代「Exadata X10M」と同じ価格ながら、大幅なパフォーマンス向上が図られている。
OracleのExadata、スケールアウト・テクノロジー担当シニア・バイスプレジデントであるKothanda Umamageswaran(コディー・ウママゲスワラン)氏は声明で、「Exadata X11Mは、お客さまに極めて高い拡張性、パフォーマンス、ビジネス価値を提供するとともに、パブリッククラウドからマルチクラウドやオンプレミスまで、必要な場所に導入できる柔軟性と選択肢を提供する」と述べる。
Exadata X11Mは、「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」「Amazon Web Services(AWS)」「Google Cloud」「Microsoft Azure」などの主要クラウドで稼働する。また、第5世代の「AMD EPYC」プロセッサー向けに最適化されており、競合するデータベースシステムと比較して大幅に高いパフォーマンスを実現するとしている。
Exadata X11MをExadata X10Mと比較した際のパフォーマンス向上は次の通り。
AIベクトル検索では、Exadataのインテリジェントなストレージへ透過的にオフロードすることで、永続的ベクトル索引(IVF)検索が最大55%高速化する。インメモリーベクトル検索クエリー(HNSW)は最大43%高速化する。新しいソフトウェアの最適化によって、ストレージサーバーでのデータフィルタリングが4.7倍、バイナリーベクトル検索時のクエリーが32倍速くなり、AI検索が高速化する。ユーザーはプライベートなビジネスデータと組み合わせた高度なベクトル検索を高速に実行し、生成AIモデルの精度と信頼性を向上させるとともに、全体的なコストを削減できる。
オンライントランザクション処理(OLTP)では、シリアルトランザクション処理が最大25%高速化し、同時スループットが最大25%向上、SQL 8K I/O(入出力)の読み取りレイテンシーが最大21%低下する。これによって、多くのトランザクションを高速に処理でき、データベースシステムのフットプリントを削減しながら、コストを抑えて効率的な運用が可能になる。
分析機能では、分析クエリー処理が最大25%高速化し、ストレージサーバー上の分析I/Oが最大2.2倍高速化、データベースインメモリースキャンが最大500GB/秒に増加する。トランザクションデータに対してリアルタイム分析を実行し、テラバイトからペタバイトのデータウェアハウスを迅速にスキャンして、重要なビジネスインサイトを得ることができる。
Exadata X11Mは、4つの方法で電力消費量とコストの削減を支援する。まず、高いパフォーマンスにより、データベースワークロードをより少ないシステムで実行できるため、インフラストラクチャー、電力、冷却、データセンターのスペースを節約する。
次に、より多くのワークロードを小さなシステムに統合できるため、利用効率が向上する。さらに、使わないCPUコアを停止したり、電力消費の上限を設定したりするなど、使用率が低い時間帯に電力利用を最適化する電力管理機能によってエネルギー効率を高め、持続可能性の目標達成をサポートする。
加えて、「Oracle Autonomous Database」を通じて自動機能を利用できるため、手動のデータベース管理タスクと人的ミスを排除できるという。
Exadata X11Mは、オンプレミスのほか「Exadata Database Service on Exadata Cloud@Customer」や「Autonomous Database on Exadata Cloud@Customer」、OCI、マルチクラウド環境に導入できる。これらの環境では、ユーザーは同一のOracle DatabaseとExadataアーキテクチャー上で動作する同じ機能にアクセスできる。Oracle Databaseは、導入形態に関係なく完全な互換性を持つため、アプリケーションを変更せずに必要な場所でワークロードを実行できるとのこと。
マルチクラウド環境では、Oracle DatabaseはOCI、AWS、Google Cloud、Microsoft Azureのデータセンター上で稼働するExadata X11M上で実行される。ユーザーは「Oracle Real Application Clusters」(RAC)を含むOracle Databaseの全ての機能を利用でき、スケーリングや計画および計画外のダウンタイム時の高可用性を実現できる。さらに、低レイテンシーのネットワーク接続を通じて、AWS、Google Cloud、Microsoft Azure上のアプリケーション、AIモデル、または分析ツールをOracle Database内のデータと組み合わせて活用できる。