「心の知能指数」に強み–Palona AI、セールスエージェントを一般提供
今回は「「心の知能指数」に強み–Palona AI、セールスエージェントを一般提供」についてご紹介します。
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
多くの企業は、多かれ少なかれ顧客とのやりとりにAIチャットボットを使用しているだろう。チャットボットを適用する業務には、カスタマーサービスに関する問題への対応、製品に関する質問への回答、よくある質問(FAQ)をまとめたページの案内などがある。米スタートアップのPalona AIは、こうした取り組みを推進しており、ブランドマスコットの役割を兼ねたプロ級のAIセールスエージェントの提供に取り組んでいる。
同社は米国時間1月23日、AIソリューション群「Palona AI」の一般提供と資金調達を発表し、(AIエージェントを通して)ピザ店や健康施設などの小規模事業者が、顧客対応を担う営業のエキスパートと同等の力を手に入れられるよう取り組んでいると説明した。小規模事業者の場合、こうした人材を採用する余裕はあまりないという。Palona AIは、従業員マニュアルや企業方針、既存のFAQなど、顧客企業の知識ベースを基にエージェントをオンボーディング/トレーニングする。
Palona AIは、高度にカスタマイズされた「AIキャラクター」の開発を目指している。AIキャラクターは、顧客企業のガイドラインを基に人格を形成し、企業イメージを反映した声で顧客と積極的に関わる。同社のエージェントは、ウェブと「iOS/Android」デバイスで利用可能で、企業のバックエンドに組み込まれる。顧客は時間帯を気にすることなく、電話やチャットで問い合わせができる。
Palona AIのエージェントは、一度のやりとりで顧客情報を記憶できるという。例えば、顧客は水曜日にカメラ店のチャットボットに商品の価格について尋ねたが、ほかのことに気を取られてしまい、日曜日にその会話を再開したとする。エージェントは、顧客が飼っているペットの名前や性別など、対話で得られた情報を基に顧客プロフィールを作成しておき、今後のやりとりに活用できるようにする。
「顧客との関係を構築するには、最高の営業担当者でも数年間かけて習得するような人間的スキルを正確に組み合わせる必要がある。われわれはそのスキルセットを把握し、AIエージェントが常に実行できるモデルとアクションに変換した」とPalona AIの最高経営責任者(CEO)で共同創設者のMaria Zhang氏はプレスリリースで述べる。同氏は、Googleのエンジニアリング担当バイスプレジデントを務めた経験を持つ。
Palona AIのベースモデルは、Metaの「Llama」とOpenAIの大規模言語モデル(LLM)で構築されており、人間の営業のエキスパートと同様、心理学と説得に関する文献に基づいてトレーニングされているという。
「このアプローチこそが、同社のエージェントがアップセルやブランドロイヤリティーの構築にたけている理由である」と同社は主張する。カスタマイズでは、業界や競合他社の情報でエージェントの知識を拡充し、「より本物らしい」顧客とのやりとりを実現する。
「Palona AIにより企業は、柔軟な営業スキルや24時間体制の対応、無限の処理能力と忍耐力を備えた『世紀の従業員』をすぐに作り出せる」とPalona AIの担当者は米ZDNETの取材で語った。
一般的に、AIエージェントに対応されると人間の担当者に引き継いでほしいと思う人もいるが、Palona AIのエージェントは基本機能で大半の質問に対応できると同社は説明する。
スーパーバイザーエージェントを活用すると、自律システムが顧客対応を担うエージェントを監視し、苦情が寄せられた場合など、必要に応じて人間の担当者に引き継ぐ。Palona AIのエージェントは他社のソリューションと比べて、引き継ぎのしきい値がはるかに高いという。
こうしたマルチモーダルシステムにより、「導入企業に代わって顧客一人一人について学習し、ニーズに対応し、正確かつ精密に行動するAI」が実現するとプレスリリースには記載されている。さらに同社は、スーパーバイザーエージェントの監視により、ハルシネーション(幻覚)の98%を削減できるとしている。