第3回:全社のデータ活用を実現するデータマネジメント基盤の構築
今回は「第3回:全社のデータ活用を実現するデータマネジメント基盤の構築」についてご紹介します。
関連ワード (CIO・情シス部長が知っておきたい「データクラウド」の基本と構造、ビッグデータ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
前回までの記事では、クラウドネイティブなデータ基盤を活用することで得られるビジネス価値や、データサイロ化の解消、さらに組織の枠を超えたデータコラボレーションや人工知能/機械学習(AI/ML)の活用など、新たな価値創出の可能性について紹介しました。
では、クラウドの利点を生かしつつ、全社的にデータを活用するためには何が必要なのでしょうか。この記事では、全社レベルでのデータ戦略を推進し、データドリブンな意思決定を実現するためのデータマネジメント基盤に焦点を当て、具体的な方法論と導入アプローチについて解説します。
クラウド活用により、異なる組織やシステムのデータを集約・共有しやすくなったものの、クラウド上にデータを集めるだけでは全社的なデータ活用は進みません。
全社規模でデータを活用していくためには、ビジネス側が必要とする分析軸や利用ケースを考慮し、組織的かつ戦略的にデータを統合・管理する仕組みが重要です。そのためには、“データマネジメント基盤の整備”と“データ戦略の明確化”、そしてそれを支える“組織体制・文化の構築”が欠かせません。
データマネジメント基盤を導入する最大の意義は、まずデータガバナンスを確立し、顧客データや個人情報といった機密性の高い情報を適切に取り扱う体制を全社的に整備できる点にあります。アクセス制御や権限管理を徹底することで、データの安全性と信頼性を高められます。次に、多種多様な部門やシステムから集まるデータの品質を担保することが重要です。重複や欠損、不整合が生じやすいデータを一元的に評価・管理する仕組みを設けることで、ビジネスにとって信頼できるデータを提供できます。
さらに、こうした基盤が整備されることで、分析部門だけではなく現場のビジネスユーザーも自らデータにアクセスし、意思決定に活用しやすくなります。組織全体のデータリテラシーが向上することで、迅速かつ的確な意思決定が可能となり、企業の競争力強化にも大きく寄与します。
全社基盤としてのデータプラットフォームを導入する際、まず意識すべきは、自社が目指すデータ活用のゴールを明確にすることです。例えば、経営指標をリアルタイムに統一し意思決定スピードを上げる、部門横断のデータ分析で新しい収益機会を創出する、AI/MLを利用して予測精度や自動化レベルを高める、あるいはマスターデータを統合して運用コストを削減するといったことが挙げられます。これらのゴールを明確にし、優先順位を定めることで、必要な機能やアーキテクチャーの要件が定まります。続いて、その目的に合ったアーキテクチャーや手法を検討します。
特に最近では、以下のような概念が注目を集めています。