「Linux」をPDFファイルの中で動かすプロジェクトが登場
今回は「「Linux」をPDFファイルの中で動かすプロジェクトが登場」についてご紹介します。
関連ワード (オフトピック等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
「What can’t Linux run on?」(Linuxが実行できないものは何?)というテーマの下、インタラクティブなPDFでさまざまなことが実行可能なことを証明しようとする取り組みがある。
Toms Hardwareは2025年に入ってから、Ading2210が「DoomPDF」(PDFファイル上で動作する「Doom」)を作成したと報じた。これは、PDF上で動作するテトリス(Pdftris)に触発されて作成されたものだ。
アプリ(Linuxカーネル)は基本的にブラウザーに読み込まれたPDFファイル内で実行される。これは、標準的な「JavaScript」ライブラリーを使って、RISC-VエミュレーターをJavaScriptにコンパイルし、ウェブブラウザー内で実行できるようにする仕組みだ。
PDF内でLinuxの出力はASCII文字として表示される。「Chrome」ブラウザでのみ正常に動作する。カーネルがロードされると、ターミナルプロンプトが表示され、画面上のキーボードを使ってコマンドを入力できる。動作は遅いものの、多くのLinuxコマンドを実行可能だ。
テスト用のPDFを開いて、幾つかの簡単なコマンド(echoとtop)を実行してみたが、実際に動かすことができた。
Linux環境にはシェルや「vi」(テキストエディター)のほか幾つかのツールが含まれており、テストが可能だ。ただし、実行速度が遅いことを理解しておいてほしい。また、PDFは最も安全な文書というわけではないため、OS(簡素化されたものであっても)を実行することの影響を考慮する必要がある。それでも、このプロジェクトの影響は計り知れない。
演算能力を持つPDFを想像してみてほしい。これは、PDFとのさらなるインタラクションを可能にする。ユーザー入力を受け付け、数値を計算し、自動化機能まで備えたPDFを作成できるのだ。その可能性は無限大といえる。
もちろん、このようなプロジェクトは未来への警鐘と捉えることもできる。OSが組み込まれたPDFが送られてくる可能性があり、PDFを開くとさまざまな混乱が生じるかもしれない。
それでも、linuxpdfプロジェクトは非常に魅力的だ。linuxpdfのソースはここで確認でき、ダウンロードやコンパイルも可能だ。