名古屋大と豊田合成、力触覚伝達による遠隔触診システムを開発
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名古屋大学と豊田合成は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が進める「人工知能活用による革新的リモート技術開発事業」において、仮想空間での接触を利用した遠隔触診システムのプロトタイプを開発・公開した。NEDOが発表した。
NEDOによると、このプロトタイプは前腕部疾患に特化した世界初のシステムだという。2月27、28日には、名古屋大学医学部附属病院とシンガポール国立大学病院間で実証試験を行う予定だ。
同システムは、触覚情報だけでなく、触れ合いによる心理的効果も考慮した「Contact Reality」(CR)という概念に基づいて構築された。整形外科領域の前腕および手関節の痛み、関節異常の診断に特化し、遠隔触診デバイスとシステムを開発。医師による実証試験の結果、有効性が確認された。
開発には、人の肌に近い物質特性を持つ「触覚伝送アクチュエータ(e-Rubber)」や、医師の触診意図を再現する「触診マニピュレータ」、超小型6軸力覚センサーおよびe-Rubberセンサーを統合した「指先統合センサー」などが活用された。このほか医師の触診意図を計測する「Haptic I/O Doll」や、医師の存在感を高める透明ディスプレイも導入されている。これらの技術を組み合わせることで、医師が的確に遠隔触診できるシステムを構築した。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行は、オンラインシステムの普及を加速させる一方で、直接会うことの重要性を再認識させた。医療分野でも同様に、遠隔触診の利便性と同時に、直接触診できないことによる課題が浮き彫りになった。このような背景から、2021年度より名古屋大学と豊田合成は、CR実現による遠隔触診システムの開発に取り組んでいる。