「AIの民主化と市民開発の加速を目指す」–Box Japan新社長、新年度事業戦略を発表
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Box Japanは2月26日、新年度の事業戦略について説明会を開催した。同社は2月1日付で、これまで代表取締役社長を務めていた古市克典氏が代表取締役会長に就任し、新しく佐藤範之氏が社長執行役員に就任したばかり。新社長の佐藤氏が、昨年度を振り返るとともに、新体制移行後の方針を示した。
まず佐藤氏は昨年度について「ライセンスとコンサルティングの両面で売り上げが好調だったことに加え、更新比率も高水準だった。また、AIを中心としたプラットフォーム機能を拡充した」と述べた。既に顧客数は2万社を超え、東日本旅客鉄道(JR東日本)やトヨタ自動車などの大手企業が「Box」を導入しているほか、長く利用している顧客がAI機能を実装した上位エディションにアップグレードするケースも多かったという。
佐藤氏はITRのデータを引き合いに出し、「国内コンテンツコラボレーション市場の売上金額では、Boxが2021年度から2023年度まで1位を獲得しており、2024年度の予測も1位となっている」とアピール。Boxのグローバル市場における日本の売上比率も毎年順調に伸びており、「2024年度は21%だったが、2025年度第3四半期の段階で24%は超える状況だ」という。
顧客の規模も幅広い。Box Japanの立ち上げ時期は大手企業にフォーカスしていたというが、「収益の安定化を図るため、従業員2000人未満の中堅中小企業に対しても積極的にアプローチし、直近では新規受注高の約3割がこの領域からだ」と佐藤氏。また、販売エリアも拡大し、現在では売り上げの4割近くが関東以外の顧客によるものだという。
コンサルティング事業も高い成長率を見せている。「Boxのコンサルティングチームは、ライセンスを購入した顧客への導入支援だけでなく、顧客ごとに今後のコンテンツ管理プラットフォームがどうあるべきかをデザインしたり、セキュリティコンサルティングを行ったりと、幅広く対応している」と佐藤氏は説明する。
Boxの更新比率が高い点については「容量無制限であるため、コストが低減できる。セキュリティ面でも、きめ細やかにアクセス権が設定できるほか、マルウェア対策としても有効だ」と佐藤氏。また、「さまざまなアプリケーションとつながるBoxに、非構造化データも含めあらゆるデータを集約することで、AIのサイロ化を防ぐことが可能だ」としている。
さらに、カスタマーサクセスチームで顧客の利用促進を支援しており、「利用フェーズによって異なるニーズを理解し、それぞれのフェーズに合わせてサポートしている。自社だけでなく、300社を超えるパートナーとともに顧客との接点を増やしているところが高い更新率につながっているのだろう」とした。
AIプラットフォームについては「Boxのライセンス利用者は、AIクエリーを無制限で利用できる」と佐藤氏。「Boxにはさまざまなアプリケーションとつながるコネクターがあり、顧客は容量無制限でコンテンツをBoxに集約できる。そのコンテンツと、OpenAIをはじめとするさまざまなLLM(大規模言語モデル)をつなぎ、クエリーを無制限とすることが、当社のプライシングの差別化となる」とした。
新年度については、まずインテリジェントコンテンツ管理基盤を提供し、AIの民主化と市民開発の加速を目指す。1月に発表した「Enterprise Advanced」プランは、まさにそのためのプランとしてAI機能が大幅に拡張されている。
佐藤氏はその機能の一部を紹介。例えば、「Box AI Studio」では、Box AIをカスタマイズして用途ごとに最適なAIエージェントを作成することが可能だ。また、「Box Apps」を使えば、AIを活用したワークフローの自動化アプリケーションをノーコードで開発できるという。
さらに2月20日には、プレビュー画面上から対象文書に対してAIに知見を求める「Box AI for Documents」と、「Box Notes」上でAIに文章の生成や確認を指示できる「Box AI for Notes」を、全ての有償プランで利用できるようにしている。
市場に対するアプローチについては、「昨年と大きく変わらず、企業サイズごと、エリアごとの営業組織を立ち上げている。特に、今後フォーカスする金融や公共といった領域に対する営業組織を強化していく」という。
最後に企業としての戦略については、Boxのミッションである「世界のコラボレーションを強化すること」を念頭に、日本法人の組織運営を変更。これまで古市氏と佐藤氏の2人がバイスプレジデント(VP)を務めていた体制から、新たにVPを2人追加し、4人体制になるという。
「組織運営上のチャレンジとしては、セクショナリズムや官僚化組織との戦いになるだろう。今後は、これまでの伝統は生かしつつ、変革すべき点は市場変化を見据えて積極的に変えていく。また、意思決定をスピードアップし、実行力にこだわった組織にしていきたい」と佐藤氏は述べた。
説明会には会長に就任した古市氏も登場。同氏は佐藤氏が入社した当時を振り返り、「入社1年も経たない時期に1億円規模の案件を受注し、神が来たのかと思った」と話す。今後、古市氏は「日本の顧客やパートナーとの関係性を強めていくことと、佐藤を中心とした新チームへのスムーズな移行を支援することに努めたい。そして、Box Japanの新しいプロジェクトにも取り組んでいく」とした。