プロセスインテリジェンスなくしてAIはない–Celonis事業戦略
今回は「プロセスインテリジェンスなくしてAIはない–Celonis事業戦略」についてご紹介します。
関連ワード (データマネジメント等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
Celonisは、2025年度の事業戦略に関する説明会を開催した。代表執行役社長の村瀬将思氏は日本企業を取り巻く事業環境が急速に変化していることを踏まえて「変化を続けられる社会を作っていきたい」と語り、最近のAIブームを踏まえて「AI活用のためには、Celonisが提供するプロセスインテリジェンス/プロセス情報がないといけない」と強調し、端的に「No AI, without PI」と表現した。
同氏は環境変化の具体例として、米国で第二期トランプ政権が成立したことの影響として「ESG投資の凍結などの価値観の急激な変化」「AI投資の強化」「関税外交」などを挙げた。日本企業がこれまで構築してきたサプライチェーンを変更したり、根本的に海外戦略自体を見直したりする必要が生じる可能性を指摘し、「日本企業、もしくは日本社会に求められる姿として、柔軟かつ変化に強い企業、もしくは社会体質の強化とチェンジマネジメント(変革管理)の定着化が必要ではないか」とした。
チェンジマネジメントは「組織を『現状』から『目指す姿』へと移行させ、期待するベネフィットを達成するための変革推進手法」と定義されるものだが、村瀬氏はさらにハーバードビジネススクールのJohn Kotter(ジョン・コッター)教授が提唱した「チェンジマネジメントの8段階のプロセス(The 8 Steps for Leading Change)」の概要を紹介した。
「まずは危機意識の明確化と共有。そして、ビジョンやどこに向かうべきなのかという戦略を含め、変革のためのチームを作り、それらをきちんと伝える。従業員の自発性を促す環境を作ったり、短期的に成果を実現したり、さらにその成果を基にさらなる変化を推進したり、定着化を図ったりすることが、チェンジマネジメントにおいて必要なプロセスだ」とした。
その上で、同社の取り組みについて「プロセスマイニングというテクノロジーを使ってCelonisがやっているのが、パーパスやリーダーシップの変革、チャンピオンの育成、CoE(センターオブ エクセレンス)の設立、素早い価値の創出など、まさにこのチェンジマネジメント以外の何者でもないと思う」と述べた。
技術的には「プロセスインテリジェンスというレイヤーを作り、あらゆる業務システムからプロセスデータを持ってきてデータやプロセスのナレッジを蓄える。AIによってプロセスマイニング、業務の可視化から非効率性の分析、プロセスの改善やモニタリング、エンドツーエンドでの最適化や自動化を行うことで変革を目指す」という。
こうした認識を踏まえた上で村瀬氏は、2025年度の重点領域として「AI」「サプライチェーン」「チャンピオンの育成拡大」を挙げた。
AIに関して、同氏は「今の生成AIの使い方は、開発者のコーディング支援やチャットボット、社内ドキュメントの検索などで、まだROI(投資利益率)が大きくない。一番大きなROIは、やはりビジネスプロセスの改善や自動化などの実現で得られる」とした。
その上で、カーナビに活用される全地球測位システム(GPS)に例えて「GPSでは、静的な情報である地図情報と動的な情報である渋滞情報や事故情報を組み合わせて現時点での最適なルートを選定する。企業の世界では、静的な情報としてSAPやOracleなどの業務システムがあり、その上にビジネスコンテクストとしてCelonisがモニタリングしたプロセス情報を組み合わせることで自律的な企業を作れる」と説明した。
さらに「現在のAIには、動的な情報が欠けているために予見性がなかったり、最適な推奨ができなかったりする」と指摘し、「CelonisはAIのイネーブルメント層になろうとしている」とまとめた。
サプライチェーンでは、さまざまな環境変化の影響で既存のサプライチェーンを大きく変更・改善する必要に迫られると予想される。それに対し、新たに提唱されている「サプライチェーンコマンドセンター」の役割をCelonisが担い、実行段階でのデータに基づいて当初計画の修正/改善を適宜行える強みをアピールするほか、豊富に用意されたテンプレートにより、迅速に価値創出するという。
プロセスの改善や変化への対応にはやはり人の力が重要であることから、リーダーシップを発揮できる人材である「チャンピオン」の育成に関しても、さまざまなコミュニティー活動やイベント開催などの手段を通じて積極的に実施していくとした。