自動化で開発がもっと自由に–オラクルCTO・エリソン氏が生成AIに見る未来
今回は「自動化で開発がもっと自由に–オラクルCTO・エリソン氏が生成AIに見る未来」についてご紹介します。
関連ワード (ビッグデータ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
米Oracleは現地時間9月19~21日、年次カンファレンス「Oracle CloudWorld 2023」を開催している。18日は最高経営責任者(CEO)のSafra Catz氏に加え、創業者で最高技術責任者(CTO)のLarry Ellison氏も基調講演を行った。Ellison氏は世界中で熱狂をもたらす生成AIへの見解を述べるとともに、同日発表の自社サービスを複数解説した。
「約1年前、OpenAIが『ChatGPT』のデモを披露した。ChatGPTを開発した人々は、赤ちゃんが(初めて)しゃべった時のように驚いた。正直なところ、(質問に対する回答を)期待していなかったのだ」とEllison氏は口火を切った。
OpenAIは、Elon Musk氏らが約10年前に設立した会社。同社は数十億の人工ニューロン(モデル化された神経細胞)で構成される巨大な人工ニューラルネットワーク(モデル化された神経細胞ネットワーク)、またはAIの専門家が「ビリオンパラメーターモデル」と呼ぶものを構築したという。
同社はニューラルネットワークの構築後、膨大な量のデータでトレーニングを実施。公開されているインターネット情報を大規模に読み取り、その量は過去に類を見ないほどだったという。
人工ニューラルネットワーク自体は以前と同じアーキテクチャーだが、「GPT-3.5」の特徴は人工ニューラルネットワークとトレーニングデータの規模が膨大な点だという。「規模を変えたところ、質問を投げかけるとChatGPTが回答するようになった」とEllison氏は説明した。
「これまでテクノロジー業界における多くの出来事は世界中の政府の党首や他の業界で働く人々の関心を集めることはなかった。これは『スプートニク』のようだと思う。かつてソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)が初の人工衛星であるスプートニクを打ち上げた時、私たちの想像力を刺激した。当時のスプートニクのように、誰もが生成AIの存在を知っている」(Ellison氏)
「GPT-3.5は、もはやOpenAIで最良のモデルではなくなった。わずか1年ほどで、Cohere, OpenAI、その他の企業は、言語だけでなく画像も生成する大規模言語モデル(LLM)を開発した。これらのLLMは作曲したり、作詩したり、コンピューターのコードを生成したりでき、いわば人間に近づいてきている。そして1年以内に、Teslaは完全な自動運転車を完成させるだろう」と同氏は所感を述べた。
Ellison氏は今後、「より良いAIを提供するためのレース」が世界中で起きると見ている。そして、生成AIはより良い未来をもたらす一方、歴代のテクノロジーと同様に重大なリスクを伴うとする。
「われわれは長年AIを使用してきたが、生成AIは革命であり、同社の状況を根本的に変えようとしている。当社が行うほぼ全ての事業はAIが中心となる」と同氏は断言する。