ブラジルの新進フィンテックNubankが2.6兆円の評価額で420億円調達

今回は「ブラジルの新進フィンテックNubankが2.6兆円の評価額で420億円調達」についてご紹介します。

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本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。

パンデミックで資金不足に陥るスタートアップがある時代を、実にふさわしい名前をしたブラジルのネオバンクNubank（ヌーバンク）はかきわけて進んでいる。同社は米国時間1月28日、シリーズGラウンドで4億ドル（約420億円）を調達し、累計調達額は12億ドル（約1260億円）になったと発表した。しかし、250億ドル（約2兆6200億円）という新たなバリュエーションに加え（2019年の100億ドル、約1兆500億円から増加している）、さらに注目すべきはユーザー3400万人という顧客ベースで、同社はこの数字を2013年のフィンテック立ち上げから築き上げた。

「顧客の数は2019年の1200万人からほぼ口コミだけで3400万人に増えました」と同社の共同創業者でCEOのDavid Velez（デイビッド・ベレズ）氏は話した。2020年9月まで同社は1日あたり4万1000人の新規顧客を獲得していた。同社は顧客を獲得するのにコストがかかっていないことを誇りにしている。ベレズ氏は、同社がマーケティング費用を「いい給料」と優れた顧客サービスに充てていると述べた。優れた顧客サービスはブランドに対する好感を他人と共有する「熱狂的」な顧客につながる。

新たなバリュエーションにより、Nubankは南米で4番目に価値の大きな金融機関に、そして顧客数とアプリダウンロード数では世界で最も大きなデジタルバンクになった。

シリーズGラウンドは既存投資家であるシンガポールのGIC、Whale Rock、Invescoなどを含むプライベートとパブリックの投資家がリードした。他の既存投資家からはTencent、Dragoneer、Ribbit Capital、Sequoiaが参加した。ベレズ氏はSequoiaの前パートナーで、コロンビア出身。スタンフォード大学で学び、米国で何年も働いた。

南米の金融首都であり1280万人が暮らすサンパウロに拠点を置くNubankはコロンビアとメキシコに事業を拡大した。ブラジルで新サービスを構築しつつも、今回調達した資金はそうしたマーケットでの事業にあてる。

同社はクレジットカード会社として始まり、今やフルサービスを提供する銀行となっているが、支店は持たない。そのため同社は資金を主に成長に充てることができた。

ブラジルの悪名高い官僚的で恐ろしい銀行体験について、「人々はひどい扱いを受けたり高い手数料を払ったりするのに本当にうんざりしていました」とベレズ氏は話した。これまでブラジルで毎月の請求の支払いをするには、銀行の支店に足を運び、往々にして暑い中、銀行の外に並んで順番がくるまで待たなければならなかった。この順番待ちは、最新iPhoneのリリースのときにApple Storeの外にできる列のように長かった。

「銀行は口座を開くことであなたの願いに応え、その後、年間金利450％を課します」とベレズ氏は述べた。「人々は本当に人間として扱われたいのだと我々は思っていました」と付け加えた。

1994年にブラジルレアル通貨が導入されたとき、米ドルに対し1：1と固定された。しかし近年は、3人の大統領が続けざまに投獄や弾劾され、有罪になるという同国史上最大のスキャンダルがあり、ブラジルの経済は急激に悪化した。そして新型コロナウイルスももちろん状況を悪化させた。為替レートはいま1米ドルに対し5.40ブラジルレアルだ。ブラジル、コロンビア、メキシコの低い為替レートにより、特にNubankのブラジル事業のキャッシュフローがポジティブになった2018年以降、4億ドル（約420億円）の投資はかなりのランウェイ（会社の資金がなくなるまでの期間のこと）を生み出した。

同社はブラジルで銀行サービスを十分に受けられていない人々、特にクレジットカードを入手できるような経済状況にない人々にリーチしていることで知られている。従来の銀行はブラジルの市町村の80％に存在するが、Nubankのアプリベース型プロダクトは場所にとらわれず、あらゆる市町村からアクセスできる、と同社は話した。加えて、同社はブラジル人が信用を築くのをサポートしてきた。同社の紫色のBarneyクレジットカードは1カ月あたりの限度額が50レアル（おおよそ10ドル、1050円）からとなっている。顧客が最初の月に期限内に支払えば、信用はその後増す。

多数のプロダクトを展開しているなかで、Nubankはデビットカードと普通預金口座も提供しており、自前の支店は持っていないものの米国でも一般的なようにお金はATMのネットワークから引き出せる。

「Nubankは、人々がより良いもので透明性があり、そして自分のお金や将来をコントロールすることが可能になる人間的な金融サービスを受ける権利があるという信念の下に生まれました。当社は7年前に、世界で最も凝縮した銀行部門を持つブラジルで始まり、何百万という人を官僚主義と苦痛から解放することができました。テクノロジーと人間的な顧客サービスを通じて、当社は人々の日々の暮らしにポジティブな影響を与えることができました」とベレズ氏は述べた。

【原文】

While the pandemic has left some startups strapped for cash, the aptly-named Brazilian neobank Nubank is swimming in it. This morning, the company announced that it has raised a $400 million Series G round, putting their total funding to date at $1.2 billion. But even more remarkable, in addition to their new $25 billion valuation (up from $10 billion in 2019), is their customer base of 34 million users, which they’ve built up since the fintech’s launch in 2013.

“We’ve gone from 12 million customers in 2019 to 34 million solely based on word of mouth,” said David Velez, the company’s co-founder and CEO. By September last year, the company was onboarding 41,000 new customers per day. Nubank prides itself on having a $0 customer acquisition cost. Velez said the startup spends what would be marketing money on “great salaries” and superior customer service, which in turn creates “fanatic” customers who share their love for the brand with others.

The new valuation places Nubank as the fourth most valuable financial institution in Latin America and the largest digital bank in the world by the number of customers and app downloads. 

The round was led by both private and public investors including current investor Singapore’s GIC, Whale Rock, and Invesco. Other current investors Tencent, Dragoneer, Ribbit Capital, and Sequoia also participated in the round. Velez is a former Sequoia partner and is originally from Colombia though he attended Stanford University and worked in the U.S. for many years.

Nubank, based in São Paulo — the financial capital of Latin America and home to 12.8 million people — has expanded to Colombia and Mexico and plans to use the new funding to flesh out its operations in those markets while continuing to build out its product offerings in Brazil.

What started as a credit card company now functions as a full-service bank, minus the cumbersome bank branches, which is one way the company has been able to allocate its funding primarily toward growth.

“People were really done with being mistreated and paying high fees,” said Velez, speaking to Brazil’s notoriously bureaucratic and dreadful banking experience (liken it to going to the DMV, but regularly). Historically, to pay your monthly bills in Brazil, you had to go to a bank branch and wait in line — often outside in the heat — until it was your turn. The lines wrapped around the block like that of an Apple Store upon the release of the latest iPhone.

“It’s like they are doing you a favor by opening an account for you and then charging you 450% interest rate per year,” said Velez. “Our bet was that people would really like to be treated like humans,” he added.

In 1994, when the Brazilian real currency was introduced, it was pegged at 1:1 with the U.S. dollar. However, in recent years, with the country’s largest corruption scandal in history which saw three consecutive presidents jailed, impeached, and incriminated, respectively, the economy has plummeted. And COVID-19 certainly hasn’t helped. The exchange rate is now 1 USD to 5.40 BRL. With low exchange rates in Brazil, Colombia, and Mexico, a $400 million USD investment creates a sizable runway, especially since Nubank’s Brazil operation has been cash-flow positive since 2018.

The company is known for reaching the unbanked population in Brazil, especially those who simply weren’t in the financial position to get a credit card. Traditional banks are present in about 80% of Brazilian municipalities, but considering that Nubank’s app-based product is location-agnostic, it’s able to reach 100% of the municipalities, the company said. In addition, it’s been helping Brazilians build credit. Its Barney-purple credit card starts at a monthly limit of $50 reals per month (roughly $10 USD). If a customer pays on time the first month, their credit continues to increase over the following months. 

Amongst its slew of products, Nubank also offers a debit card and savings account, and while it doesn’t have branches of its own, money can be withdrawn from network ATM’s, as is common in the U.S.

“Nubank was born out of the conviction that people deserved better, more transparent and human financial services that would allow them to be in control of their money and their future. We started seven years ago in Brazil, a country with one of the most concentrated banking sectors in the world, and we were able to free millions of people of the bureaucracy and the pain. Through technology and human customer service, we were able to have a positive impact on their daily lives,” said Velez.

（文：Marcella McCarthy、翻訳：Nariko Mizoguchi）

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