第3回:「BtoBクロスセルを成功に導く」考え方とMA活用法
今回は「第3回:「BtoBクロスセルを成功に導く」考え方とMA活用法」についてご紹介します。
関連ワード (MAシナリオ研究室、マーケティング等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
前回は、MA(マーケティングオートメーション)ツールを有効活用して成果を出す上で必須となる「ナーチャリング」について、その必要性と考え方を具体的なシナリオを交えてご紹介しました。今回は「クロスセル」を取り上げます。
クロスセルとは、既に商品やサービスを購入している顧客に対し、関連した別の商品も購入してもらう手法のことです。EC(電子商取引)サイトで買い物をする際、「あなたへのおすすめ」「この商品を購入したお客さまは、この商品も同時購入しています」といった表示を見たことがあると思います。この複数商品の同時購入を促す方法がクロスセルに当たります。
自社の営業で成功すれば、購入単価を上げることができ、顧客数を増やさないまま売り上げアップを実現できます。加えて、自社に対するイメージも上がり、顧客満足度も上昇します。しかし、BtoB(法人向けビジネス)におけるクロスセルは容易なものではありません。失敗した時のリスクは大きく、売り上げだけでなく顧客の信頼を損なう場合もあるのです。
今回はBtoBにおけるクロスセル施策の重要ポイントを、具体的なシナリオを交えてご紹介します。
営業部門が持つ既存顧客の情報がカギ
クロスセルを成功させるために特に重要なことは、マーケティング部門と営業部門が足並みをそろえることです。クロスセルのターゲットは既存顧客であるため、見込顧客と違い、その顧客の課題や社内状況、担当者の特徴などをある程度把握できています。それらの情報を顧客の信頼とともに握っているのは、営業部門です。
クロスセルにおいては、営業部門が持っている顧客に関する情報を、いかにマーケティング部門が活用できるかがポイントとなります。逆に、営業部門の情報を活用しないままマーケティング部門だけでクロスセル施策を実施しても、なかなか成果は出ないでしょう。自分たちのことを十分に理解しているはずの企業が関係のない商品/サービスを勧めてくれば、既存顧客は決して良い気持ちにはなりません。また見込顧客と比べ、既存顧客の場合は提案や情報提供への期待度が高くなる傾向があり、その期待に応えられない場合、信頼が失われることもあり得ます。
リード(個人)単位へのマーケティング活動に対し、法人営業部門とマーケティング部門が連携してアカウント(企業)にアプローチするABM(Account Based Marketing)が提唱されて久しいですが、クロスセル施策の考え方はABMに沿っているといえます。
営業部門の情報をマーケティング部門が分析し、情報の質を高めて営業部門に戻す。こうした部門間の密な連携が、クロスセル施策成功のカギとなります。
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