日本企業のビジネスコンポーザビリティーは世界全体の平均より低い–ガートナー調査
今回は「日本企業のビジネスコンポーザビリティーは世界全体の平均より低い–ガートナー調査」についてご紹介します。
関連ワード (経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
ガートナージャパンは、世界の最高情報責任者(CIO)と技術幹部を対象に毎年実施している「CIO/テクノロジ・エグゼクティブ・サーベイ」の最新版の結果を発表した。
これによると、日本企業のビジネスコンポーザビリティーは世界全体の平均より低く、また、競合他社と比べて自社の競争優位性が高いと評価する割合が世界平均を大きく下回ることが分かった。
ビジネスコンポーザビリティーとは、ビジネスにおける情勢変化を企業が察知して即応できるようにするマインドセット、プラクティス、ツールを組み立てる能力のこと。この能力を備えた企業は、不安定な時代でも競合他社より先行し、成功を収めることができるという。
今回の調査は、世界85カ国の主要業種に属する2387人のCIOと技術幹部から回答を得ている。日本の回答者数は212人だった。同調査では、コンポーザブルビジネスの3つの領域の活用度に応じて、回答者であるCIOが属する企業を「低い」「中程度」「高い」の3つに分類した。
ガートナーによると、ビジネスコンポーザビリティーが高い企業は、思考法 (シンキング)、ビジネスアーキテクチャー、テクノロジーのコンポーザビリティーを全方位で実践しており、その結果、高いビジネスパフォーマンスを実現していることが明らかになっているという。
全社的なビジネスパフォーマンス、売り上げ/賃金提供の増加、ビジネスリスクの軽減、運営コストの削減の4項目に対する自社のパフォーマンスへの評価を尋ねたところ、ビジネスコンポーザビリティーが高い企業ほど、自社のビジネスパフォーマンスが同業や競合他社と比較して高い(「先行している」または「大幅に先行している」)と回答した割合が高くなっている。
ガートナーでは、この結果から、グローバルで事業を展開している日本企業はまず、業務プロセスのデジタル化を加速した上で、デジタルビジネスを増やし、グローバル市場での競争力を維持することが重要だとした。その上で、ロボティックプロセスオートメーション (RPA) などのテクノロジーの活用による社内のビジネスプロセスの標準化と自動化、印紙廃止と複雑な手作業のワークフローの簡素化によるペーパーレス化とタッチレス化、会議/人事考課/契約締結でのオンライン・チャネルの採用などが求められるという。
また別の調査結果では、2022年の日本企業のIT予算増加率は世界企業平均よりも高いが、投資を増やすテクノロジーのバランスを再検討する必要があることが分かった。
日本企業のCIOと技術幹部は、2022年のIT予算の平均増加率を4.3%と予測しているが、世界の全回答者の平均は3.6%、ビジネスコンポーザビリティーが高い企業でも4.2%だった。
各テクノロジー領域への投資意欲については、世界のCIOはサイバーセキュリティ/情報セキュリティ(66%)、ビジネスインテリジェンス(BI)/データアナリティクス(51%)、クラウドプラットフォーム(48%)の順で投資を増やすと回答している。一方、日本企業のCIOの優先順位は、サイバーセキュリティ/情報セキュリティ(62%)、レガシーアプリケーション近代化(47%)、クラウドプラットフォーム(44%)の順となった。
ガートナーでは、世界のCIOは新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のパンデミック後のニーズに対応する中で、より先を見越してテクノロジー投資のバランスを見直そうとしているとし、日本企業もレガシーアプリケーション、インフラストラクチャー、データセンターテクノロジーへの支出削減に努めるべきだとした。
その理由として、リソースが解放されることで、より新しいビジネスケイパビリティーやデジタル化への投資を増やせることにつながり、非効率な社内業務も減り、デジタルビジネスの成長も加速するからだという。