CentOSの代替目指す「Rocky Linux」、「Google Cloud」でサポート強化

今回は「CentOSの代替目指す「Rocky Linux」、「Google Cloud」でサポート強化」についてご紹介します。

関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 CentOSは何年にもわたり、Linuxを愛するシステム管理者のお気に入りのOSだった。彼らは本当に困り果ててサポートを必要とするような状況が発生しない限り、CentOSを利用し、サポート料金を支払わずに「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)の持つ利点を享受できていた。しかしRed HatがCentOSの路線を変更するという決定を下した結果、コストに敏感なサーバー、クラウドユーザーのニーズを受け、「AlmaLinux」や「Rocky Linux」といったRHELクローンが登場した。

 こうした流れの中、Rocky Linuxの創設者が立ち上げた新興企業であり、高性能コンピューティングを手がけるCtrl IQ(CIQ)は米国時間4月6日、Google Cloudと提携し、一貫性のあるクラス最高峰のサポートを顧客に提供していくと発表した。

 Rocky Linuxは、オープンソースの例に漏れず、コミュニティーによって管理され、無償で提供されているエンタープライズLinuxディストリビューションだ。Rocky Linuxのプロジェクトは公益法人(PBC)のRocky Enterprise Software Foundation(RESF)が主催している。RESFとRocky Linuxディストリビューションは、CentOSの共同創始者Gregory M. Kurtzer氏が率いている。Rocky Linuxは立ち上げ以来、ダウンロード数が常に毎月25万回を超えている。つまりRocky Linuxは個人開発者と大手企業の両方から高い人気を得ている。

 Googleは以前からRocky Linuxの主要サポーターだった。Google Cloudは、2020年12月にRocky Linuxの開発が発表された直後に、このOSのイメージを「Google Cloud」で採用すると発表した最初のクラウドプロバイダーの1社だ。RESFに資金を投じた初のハイパースケーラー企業の1社でもある。

 Kurtzer氏は、「この提携により、Google CloudでRocky Linuxを利用するユーザーは、いつでもCIQとGoogleからサポートを受けられるようになる!クラウドプラットフォーム自体から、エンタープライズOSに至るまで、Google Cloudの利用に関するあらゆる側面で、Googleへの電話1本でサポートされる。Googleと当社はともにエスカレーション対応チームとして機能する」と述べた。

 Google CloudのシニアプロダクトマネージャーVenkat Gattamneni氏は、「われわれはGoogle Cloudで、Linuxベースのあらゆるワークロードを稼働させるための堅牢なプラットフォームを構築し、企業に優れた顧客エクスペリエンスを提供しようと注力している。顧客がRocky Linuxに移行する中、CIQとの提携により、顧客に向けて最適化され、安定したエクスペリエンスを提供するための次なるステップを実現する」とコメントしている。

 GoogleとCIQはRocky Linuxのサポートだけでなく、製品エクスペリエンスの能率化にも取り組んでいる。Rocky Linuxイメージのパフォーマンスチューニングや、特殊なGoogleインフラでそのまま利用可能にするためのサポート、容易な移行を支援するツールなどを提供する計画だ。

 Gattamneni氏は、「CentOSのサポート終了が迫る中、代替OSを探しているのであれば、Google Cloud上のRocky Linuxは、製品とサポートという双方の観点で対応できる。このため、まだRocky Linuxを試していない人は是非使ってみてほしい」としている。

 Google Cloudのユーザーは6日より、Rocky Linuxに関するヘルプが必要な際に、Googleのサポートを活用できる。CIQのエキスパートとGoogle Cloudのサポートチームが協力し、問題への対応とエンタープライズグレードのサポート提供にあたる。

 さらに、CIQ、Google、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、VMware、Naver Cloudをはじめとするクラウドサービスプロバイダーが、「Rocky Linux Cloud Special Interest Group(SIG)」を立ち上げ、どのクラウドプラットフォームでも最適化、標準化され、シンプルなRocky Linuxのエクスペリエンスを実現しようと取り組んでいる。

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