IIJ、エンジニア育成の場「IIJアカデミー」を開設–現役社員がマンツーマン指導
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インターネットイニシアティブ(IIJ)は11月21日、創業30周年の記念施策として、ネットワーク技術とソフトウェア開発技術に精通したエンジニアを育成する「IIJアカデミー」の開設を発表した。同日に開催されたIIJアカデミーに関する発表会には、代表取締役会長 共同経営者(Co-CEO)の鈴木幸一氏と、技術顧問の久島広幸氏が登壇した。
鈴木氏は冒頭で、「10年前からこのような施策を考えていた」と話し、IIJアカデミー開設の背景について述べた。「量子コンピューターや人工知能(AI)が進歩し、ITが本質的に変化していく中で、ネットワークを理解し、正しく運用できるエンジニアがいるのか、というのは深刻な問題である。当社が30年間培った知見を最大限活用し、同業他社を含めてネットワークを理解・運用できるエンジニアの育成に貢献したい」
また久島氏は「社会的な背景として、ネットワークは社会生活・企業活動において重要となる一方、ネットワークシステムの現場で課題となっているのが、ネットワークとソフトウェア開発に精通しているエンジニアの不足だ」と説明。この要因として、クラウドサービスやアプライアンス製品の普及に伴う機能のブラックボックス化を挙げた。今後は、「実装のされ方の知識」と「実装の振る舞い方」の把握をした上で、適切な開発や運用ができるエンジニアが必要になるという。「そのためには、自らの手を動かして実装してみる経験が必要。その実践・実習環境を提供する学びの場がIIJアカデミーである」と話した。
IIJアカデミーは、リスキリングやリカレントとして学びなおしたい社会人、またネットワークスペシャリストを目指す18歳以上の学生を対象にしている。IIJサービスの開発・運用の現場で蓄積された知識(ナレッジ)や事例をもとに、同社の現役社員が講師となって、ITエンジニアの業務に有用な教育プログラムを実習形式中心で実施する。
講師は、受講者の技術レベルや希望分野、克服したい分野など、面談でのヒアリングの結果を踏まえて、IIJのサービス運営現場の知見をもとに作成された「実習課題項目」の中から3つ選択し、教育プログラムを作成する。プログラムはマンツーマン方式で行われるため、受講者は自分自身のレベルに応じた指導を受けることができる。
今回の発表では、実習課題として「クラウドサービス(IaaS)を作ってみる」と「ロードアベレージの意味と計算方法を調べて実装する」の2項目を例に挙げた。「クラウドサービス(IaaS)を作ってみる」は、IaaSを受講者の手で構築し、クラウドのアーキテクチャーの理解を深め、仮想化技術の応用を実践するというもの。課題には前提条件が設定されており、受講者はその内容に従い課題を解決していく。
教育プログラムの設定後、受講者は任意の時間で課題に取り組む。平日の夕方以降もしくは土曜日に週4~5時間程度で、講師が質疑応答の時間を設け、進捗(しんちょく)確認やフォローを行う。課題項目の実習開始に当たっては、講師から内容と利用可能なリソースの説明、また必要に応じて関連する技術の講義を実施する。
教育プログラムは、1課題項目当たり4週間を想定しており、全部で12週間の実習期間だとしている。実習課題項目が終わるごとに講師から成果物についての評価・講評が行われる。
実習環境は、同社が提供する部屋や、同アカデミー用にカスタマイズしたコンピューターリソース、ネットワークリソースが利用可能。基本的にはリモートからの作業が可能で、IIJのデータセンターでの実地作業を体験できる実習課題も計画中だという。
IIJアカデミーの受講者募集は2023年1月に開始予定。20~30人程度の募集を予定しており、社会人は20万円、学生は10万円を受講料金として設定している。