JBS・ベネッセ・ソフトバンク、マイクロソフトの生成AI導入事例を披露
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日本マイクロソフトは3月18日、同社の生成AIサービスを導入する企業3社を集めた記者説明会を開催した。
執行役員 常務 クラウド & AI ソリューション事業本部長の岡嵜禎氏は冒頭、「生成AIがもたらす新しい価値は、現在の業務や仕事の在り方に変革をもたらす存在へと期待が高まっている」と言い、グローバルで5万3000社以上の企業がAzure AIを利用しており、そのうちの3分の1以上が新規顧客であると強調した。
その上で、説明会では「Copilot for Microsoft 365」による「AIを使う」という視点と、「Microsoft Copilot Studio」「Azure OpenAI Service」を用いて「AIを創る」という視点から、日本ビジネスシステムズ(JBS)、ベネッセホールディングス、ソフトバンクの導入事例が紹介された。
JBSでは、2023年8月からCopilot for Microsoft 365の先行検証プログラムに参加しており、そこから得られた知見を生かしたサービスの提供を始めている。2024年3月には利用範囲を全社に広げ、社員約2500人の活用データや成功事例、フィードバックを収集・分析することで、生成AIによる業務改革の支援サービスに反映させていくとしている。
会見では、Copilot for Microsoft 365の社内活用事例として、議事録の作成と契約書のチェックが紹介された。議事録の作成では、Copilotのデフォルト機能に加えて、プロンプトを工夫することで精度や分かりやすさを向上させている。契約書のチェックは、これまで平均15分かかっていたものが平均5分に短縮され、約66%の業務時間削減につながったとしている。
また、マーケティング部門のセミナー関連業務にCopilotを活用することで、誤字脱字の確認や属人化の解消、アイデア出しに役立てているという。
JBS 取締役専務執行役員 ビジネスグループ統括、デジタルセールス本部担当の後藤行正氏によると、Copilot for Microsoft 365の導入によってユーザー1人当たりの価値創出時間が月間で40時間から54時間に増加した。
ベネッセは、社員が生成AIを利用できる環境を構築し、実際に業務で使う中でさまざまな活用方法を検討してきた。まず、2023年4月からグループ社員約1万5000人に「Azure OpenAI Service」を活用した「Benesse Chat」を用意し、セキュアな環境での活用を促進した。6月には社内業務の効率化に取り組み、コンタクトセンター業務などで生成AIを活用し、顧客体験の向上と効率化を実現した。7月には生成AI活用のアイデアを元に顧客向けサービスを検討し、社内チームが開発して提供を始めている。
また、企画相談が複雑化する中で、「情報を探す」「各部門に相談する」ための時間を抜本的に下げる方法として「社内相談AI」の概念実証(PoC)を開始した。社内ネットワークにある750ページ分の情報を取り込むことでデータセットを改善し、回答精度を高めている。
社内相談AIの内製実装にはCopilot Studioを活用している。ベネッセホールディングス 専務執行役員 CDXO 兼 Digital Innovation Partners 本部長の橋本英知氏は、Microsoft製品上にある社内データを利用可能な点、社員がアプリ上で簡単に開発・テスト・公開できる点、ウェブサイトや「Teams」など公開ツールを簡単に選択できる点、利用料が安価な点をメリットとして挙げた。
橋本氏は会見で、「重要なのはデータセットの質と量。既存資産を有効活用し、負荷のかからない運用ルールを整備していく」と言い、また「人とやりとりしている印象で、利便性高く使えるよう、ユーザー体験(UX)を細部までこわだって改善していく」と話した。2024会計年度には社内規約やガイドラインに基づく簡易審査にも社内相談AIの適用範囲を広げ、2025会計年度には社内手続きをAIで代行できるようにする計画だ。