グーグル、「OSS-Fuzz」の報酬プログラム拡充とJavaScriptへの対応を発表

今回は「グーグル、「OSS-Fuzz」の報酬プログラム拡充とJavaScriptへの対応を発表」についてご紹介します。

関連ワード (セキュリティ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 Googleは米国時間2月1日、同社のファジングツール「OSS-Fuzz」の報酬プログラムである「OSS-Fuzz Reward Program」を拡充したと発表した。このプログラムは、大規模なユーザーベースを有する、あるいは世界のITインフラに重大な影響を及ぼすオープンソースプロジェクトにファズターゲットの統合を促すための報奨金制度だ。

 今回新たに報奨金タイプが追加されるとともに、プロジェクトあたりの合計報奨金額が最大3万ドル(約390万円)に引き上げられた。プロジェクト1件あたりの合計報奨金額はこれまで最大2万ドル(約260万円)だった。

 OSS-Fuzzの目的は、オープンソースプロジェクトによるファジングテストの採用を支援することであり、新たな報奨金タイプは、プロジェクトの新しい統合方法を生み出す人々を支援する目的を持つ。

 またGoogleは今回、すべてのOSS-Fuzzプロジェクトを対象とし、幅広い改善に報いるための2つの報奨カテゴリーを新設した。1カテゴリーあたり最大1万1337ドル(約146万円)の報奨金が支払われる。そして、ファジングツールの自動評価ツール「FuzzBench」の大幅な統合や、脆弱性の発見を支援する新たなサニタイザー、すなわち「バグディテクター」の統合にも報奨金が用意された。

 GoogleのOSS-Fuzzチームに所属するOliver Chang氏は「セキュリティリサーチャーやオープンソースのメンテナーに、より強力なインセンティブを与えることで、重要なオープンソースプロジェクトのOSS-Fuzz(エコシステム)への統合を加速させたいとわれわれは願っている」と説明している。

 同社によると、Open-Fuzzは2016年以来、850ものオープンソースプロジェクトにおいて、8800件を超える脆弱性と2万8000件を超えるバグの修正を支援してきたという。2021年12月時点でOSS-Fuzzを利用しているプロジェクトの総数は500以上だった。こうしたプロジェクトには、エンドユーザープログラムから、さまざまなOSSプロジェクトで用いられているライブラリーも含まれている。

 OSS-Fuzzは、「ファジング」と呼ばれるテストをリサーチャーらが遂行できるようにするためのコードテスティングサービスだ。ファジングとは、セキュリティ上の欠陥を示唆するプログラムのクラッシュやメモリーリークを発生させるための、自動化されたソフトウェアテストを指す。

 GoogleのOSS-Fuzzチームは、間もなくサポートするプロジェクトの対象言語をJavaScriptにも拡大すると述べた。

 例を挙げると、「C++」で記述された「TinyGLTF」というライブラリーに存在していた深刻なバグの発見にもOSS-Fuzzが用いられた。このバグが修正されるまで、同ライブラリーに依存しているプロジェクトは攻撃者によって任意のコードを実行される危険にさらされていた。Googleは2022年9月にブログで、同ライブラリーの記述言語はC++だったが、このようなバグはあらゆるプログラミング言語に存在し得るとして、ファジングというアプローチの利点と必要性を指摘していた。こういったプログラムには、「Chromium」や「Linux」カーネル、「Windows」「Android」など多数のものが含まれている。

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