BIPROGY、金融ソリューション群を共通アーキテクチャーで統合へ
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BIPROGYは2月10日、「ファイナンシャル・サービスプラットフォーム」構想を発表した。まだ提供に向けた検討を本格的に開始した段階だが、同社が提供する金融ソリューション群や外部サービスを共通アーキテクチャーとしてまとめ、金融サービスを機能単位で低コストかつスピーディーに提供することを目指す。
近年、金融機関は多様化した顧客ニーズや市場環境の変化に合わせた多種多様な金融商品やサービスの提供が求められている。一方、金融業務システムは高い信頼性が求められつつも、長年にわたり多くの機能を追加し続けたことでシステム全体が複雑な構造になっており、新しい金融サービスを活用したビジネスへのチャレンジやデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めにくい環境に置かれている。また、非金融業事業者が自社のビジネスに金融サービスを活用するニーズや事例が増加しつつあり、必要な金融機能を素早く提供できることが求められている。
これらの課題解決のため、BIPROGYでは、自社の事業戦略に迅速に対応し非戦略領域のITコストの最適化の両輪を実現する情報基盤としてファイナンシャル・サービスプラットフォームの提供を目指して検討を開始した。
具体的には、同社が提供する金融ソリューション群を共通アーキテクチャーで統合し、機能別に提供していく。機能単位でAPIなどを活用することで、オペレーションレスやデータの一元管理による統合的な規制対応、顧客分析、地域特性分析などのデータドリブン経営を実現する。また、自社の経営戦略に沿った高い信頼性を持つサービスの利用が可能になり、業務全体も効率化できるとのこと。
同プラットフォームのアーキテクチャーは、(1)攻めのITソリューションを提供し、発生したデータや提供するコンテンツを管理、分析する「カスタマーサクセス領域」、(2)統合的な規制対応、各種報告などに対応する「ソリューション&Regulation Technology(Regtech)領域」、(3)守りのフルバンキング機能を提供する「バックサービス領域」、(4)これらを連携する「コーディネート領域」――の4つで構成される。
(1)から(3)の領域ごとに、金融機関のIT戦略に応じて独自でユーザーインターフェース(UI)やロジックを開発・生成でき、同社が提供する機能・サービスなども利用可能。また(4)の領域を介して各種連携ができる構造とすることで、業務を横断した自動化やプロセス改善、利用者に合わせた利用シナリオをスピーディーに実装できるという。
例えば、(1)では営業店システム、接客タブレット、バンキングアプリ、エンゲージメントアプリ、データレイク、データ管理基盤(DMP)など、金融機関とその顧客(消費者、法人取引先)のタッチポイント強化のソリューションをさらに強化する。金融機関と顧客と同社の3社が良好な関係を目指し、デザインや操作性を優先し、各種テクノロジーを組み合わせて提供する。
(2)と(3)は「BANKSTAR」「BankVision」「OptBAE」などで実現した勘定系システムのオープン化、パブリッククラウド化を通して培ったミッションクリティカルを実現する技術、知見を生かしたものになる。マルチクラウドやマルチプラットフォーム環境下での高可用性の担保、トランザクションやメッセージの制御、きめ細やかなロギングなどを実現することで信頼性の高いサービスの提供を可能とする。
(4)は各領域のAPI連携やフローの制御などを行う。またクラウド上のオープンAPIプラットフォーム「Resonatex」でAPIを外部公開することで、異業種サービスやSaaS などさまざまなパートナーとの柔軟な接続とシステム連携を実現する。
BIPROGYは社会課題を解決するビジネスエコシステムの構築に取り組んでおり、業種横断のビジネス創出プログラムの提供やIT人材育成のためのIT開発力を高める環境、IT教育メニュー、人材交流プログラムの提供など新たなパートナーシップづくりを進めていくとしている。
今後は同プラットフォームの標準アーキテクチャーや消費者や法人取引先との間で顧客体験(CX)を通じた深いつながりを築くサービス、マルチクラウド環境で高い信頼性を持つ新たな勘定系システムをはじめとした、各サービスのロードマップを提供していく予定。