CDPの導入有無がマーケティング能力に大きな差–データプライバシー規制への適応力にも自信
今回は「CDPの導入有無がマーケティング能力に大きな差–データプライバシー規制への適応力にも自信」についてご紹介します。
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ティーリアムジャパンは3月3日、顧客データ基盤(CDP)の最新動向をまとめたレポートの2023年版を発表した。
今回で4回目となり、金融サービス、ヘルスケア、小売り、官公庁をはじめ各業界のマーケティング、オペレーション、IT、データ/アナリティクスなどの部門に所属する1200人から回答を得た。売上高1億ドル(約130億円)以上の消費者向け(BtoC)および法人向け(BtoB)企業が対象。米国、英国、豪州、フランス、スペイン、ドイツ、シンガポール、アラブ首長国連邦(UAE)、ニュージーランド、日本の計10カ国で実施した。
シニアマーケティングディレクターの安部知雄氏は、日本企業の回答データから見えてきた動向として、「日本ではCDPを担う部門がITよりもマーケティングが多い傾向にある」と話す。レポートでは、CDP導入済みの企業では、CDPを所有するのがIT部門(40%)よりもマーケティング部門(46%)の方が多いとの回答結果だった。
また、自社事業への影響度の大きい外的市場要因に関する質問では、「顧客データをめぐる政府規制の変更」(62%)が最も多く、「日本では顧客データに関する政府の規制変更への懸念が大きい」ことが示された。CDPを成功裏に運用するために最も重要なスキルセットについては、「マーケティング戦略」(43%)が「データ分析」(30%)と「データモデリング」(14%)を大きく上回った。
CDP導入済み企業は、マーケティング予算やファーストパーティーデータ戦略への投資を強化しており、CDP導入済み企業と未導入企業との間に大きな差が出ていることも明らかになった。さらに、日本でCDPを導入した企業の68%が最初の1年以内に、92%が1年半以内に投資対効果(ROI)を達成していた。
マーケティング目標の達成能力に満足しているかを聞いたところ、CDP導入済み企業は導入4年以上が84%、同1~3年が88%、同1年未満が78%で、未導入企業(7%)との間に大きな差が出ていることが分かった。
安部氏によると、CDP導入済み企業は新しいデータプライバシー規制への適応力にも自信を示しているという。レポートでは、新しい個人情報保護規制への準備について「整っている」と回答したのは、CDP導入済み企業が導入4年以上(89%)、同1~3年(85%)、同1年未満(83%)と未導入企業(28%)よりも3倍程度高い結果だった。
同様の傾向はサードパーティークッキー廃止への準備状況にも表れている。サードパーティークッキー廃止への準備ができているとしたのは、CDP導入済み企業では導入4年以上が83%、同1~3年が88%、同1年未満が81%だった一方、CDP未導入企業は21%だった。これについて、安倍氏は「サードパーティークッキーが廃止されるに当たっての適応能力に対する信頼度にも大きな差が見られた」と話す。