「2023年は集大成の年」–日本法人10年目のワークデイが戦略発表

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 人材管理ソリューション「Workday HCM」などを展開するワークデイは4月12日、2023年の経営方針について説明会を開催した。

 米Workdayの2023会計年度(2022年2月~2023年1月)のサブスクリプション収入は、前年比で22.5%増加。従業員数は30カ国以上で1万7700人以上に上り、アジア太平洋(APAC)地域では1000人を突破した。同社のソリューションは175カ国、35言語で展開されており、顧客数は1万社以上。顧客満足度は97%、継続率は95%だという。

 説明会に登壇したワークデイ エグゼクティブ・プレジデント 兼 日本担当ゼネラルマネージャー日本法人社長の正井拓己氏は「昨今IT業界では人員や組織を整備している企業も多い中、われわれは堅調に業績を伸ばし、組織も拡大している」とアピールした。

 Workdayでは2022年、Carl Eschenbach(カール・エッシェンバック)氏が共同最高経営責任者(CEO)に就任。Eschenbach氏は2018年から同社の取締役を務めており、以前はVMwareで社長、最高執行責任者(COO)、最高財務責任者(CFO)代行などを歴任した。

 正井氏は、国内の人事トレンドとして「人的資本経営」「リスキリング」「ジョブ型雇用」「従業員エンゲージメントの管理・向上」を挙げ、「日本でも『人事変革が事業戦略やDXの根幹を担う』という考えがようやく浸透してきた」と所感を述べた。

 その上で同氏は、2023年におけるワークデイの戦略として「ソリューションのさらなる展開」「パートナーエコシステムの強化」「日本法人の拡充」を挙げた。「私自身、ワークデイのリーダーに就任して今年で3年を迎える。国内市場の人材ソリューションのトレンドは、この数年で変わってきている。今年は“ワークデイ集大成の年”。今後5年間のビジネス成長に向けて、攻めの戦略を展開していきたい」(正井氏)

 ワークデイはこれまで製薬企業やIT企業などの大企業を中心にソリューションを展開してきたが、今後は人材管理(HCM)製品において日本市場要件への対応を強化し、中堅企業への展開も進める。

 AIと機械学習(ML)の分野にも注力し、既に複数の機能を自社製品へ搭載している。HCM領域では職務定義を構成するスキルの提案やラーニングコンテンツの推奨、ファイナンシャル領域では経費の確認、金額の異常値検出などの機能がある(図1)。正井氏は「1万社を超える顧客企業が利用することで、われわれのテクノロジーはさらに進化するだろう」と自信を見せた。

 加えてワークデイは、従業員からのフィードバックを収集・分析するソリューション「Workday Peakon Employee Voice」を近日中に提供開始する。同ソリューションは、収集されたフィードバックから従業員エンゲージメントなどを可視化し、マネージャーに具体的なアクションプランを提示する。WorkdayでもPeakon Employee Voiceを利用しており、従業員エンゲージメントの可視化に取り組んでいる。全世界の従業員は毎週金曜日にアンケートへ回答し、各マネージャーがリアルタイムに結果とアクションプランを受け取る。そのほか、特定の事象に対して従業員が自由に意見を伝え、マネージャーが回答する機能もある。

 同社は、パートナー企業の拡充や共同ソリューションの展開などを目指している。パートナー企業の拡充では、中堅企業へのソリューション提供に向けて、人事制度改革の領域に詳しいパートナーや、導入後のチェンジマネジメントの運用も支援するパートナーとの連携を進める。また、アクセンチュアやデロイト トーマツとの連携をファイナンシャル領域にも拡大する。

 共同ソリューションの展開では、Workday HCMと東芝デジタルソリューションズの給与ソリューションを連携するコネクターを東芝デジタルソリューションズから提供している。そのほか、ESG(環境、社会、ガバナンス)、採用、ファイナンシャルなどの領域において、パートナーと共同ソリューションの開発に取り組んでいる。

 2023年で10周年を迎える日本法人は、営業体制の展開や採用力の強化などを進める。営業体制の展開では、デジタルセールス組織、パートナーとの協業ビジネス専任のセールス組織を新設。採用力の強化では、日本専属の採用チーム発足、国内にはなかった職種の導入などを行っている。

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