AWS幹部が予想するポストAI時代の開発者像–より創造的でビジネスに集中

今回は「AWS幹部が予想するポストAI時代の開発者像–より創造的でビジネスに集中」についてご紹介します。

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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 生成系人工知能(AI)が職務内容や創造性に及ぼしうるプラスやマイナスの影響については、多くの議論がなされている。だが、ソフトウェア開発者にとっての朗報は、生成系AIが多くの細かい作業を引き受け、自分たちの役割をビジネスコンサルティングや顧客体験へと引き上げてくれつつあることだ。

 「ITプロフェッショナルは今後、スキルの強化と業務の自動化に役立つツールを駆使することで、より戦略的な役割を果たすようになるだろう」と、Amazon Web Services(AWS)で全世界の業界技術パートナーシップを担当するディレクター兼ゼネラルマネージャーのChris Casey氏は話す。米ZDNETは先ごろ、ポストAI時代の開発者の仕事についてCasey氏に見解を求めた。

 生成系AIツールの台頭で、「ビジネスの戦略的役割を担う、さらに高スキルのITプロフェッショナル」が求められるようになると、Casey氏は予想する。AIによって、「AIツールのコーディングエラーを素早く点検して解決し、新しいアプリケーションの評価やコンプライアンスのプロセスを理解し、これらのツールがやりとりする大量のデータを解釈して自組織の利益のために活用する」ことが可能になるという。

 生成系AIによって、「ITプロフェッショナルは、創造的なソリューションをより迅速に市場に投入できるようになる」とCasey氏は話す。生成系AIは「開発者がアプリケーションを構築し、顧客に体験を提供する方法を再発明しつつある。生成系AIによって、差別化につながらないコードを手作業で書く工程がほとんど不要になり、時間の節約と生産性の向上につながるため、開発者はコーディングやソリューション設計のクリエイティブな側面に注力できるようになる」という。

 これは、開発業務における「パラダイムシフト」だとCasey氏は話す。「単純で差別化につながらないコードの記述に時間を費やす代わりに、開発者はプロダクトマネージャーやエンジニアと協力して、新たなユーザー体験をデザインすることに集中できる。プロダクトマネージャーやエンジニアはトレーニングを通じて、生成系AIエージェントに効率的かつ効果的なプロンプトを与えて望ましい結果を得たり、大規模言語モデルや基盤モデルを微調整して特定のユースケースに合わせたりするのに必要なスキルを身につけるとよいだろう」

 また生成系AIは、次世代のローコード/ノーコード環境を象徴するものでもあるため、AI時代の開発者の多くはITの領域外で仕事をすることになると、Casey氏は述べている。生成系AIによって「開発者は、コンセプトを迅速に初期ユーザー層に届けて導入価値を示し、ユーザー主導のコラボレーション体験を推進することが可能になる」という。

 たとえば、「汎用的なワークフローやスキーマ、データ、API、IDアクセスロール」といった差別化につながらない技術的コードを書く必要をなくすことで、「生成系AIは非技術系の従業員にもAIアプリケーションを構築する能力をもたらす」とCasey氏は述べている。

 そのほか、ユーザー体験の向上にも影響がある。生成系AIは、リアルタイムでコードを提案して次の行を予測できるため、「コードを書くユーザーエクスペリエンス(UX)およびUXテスト担当のエンジニアが、生成系AIエージェントにプロンプトを与えて、さまざまなバージョンのUXをほぼリアルタイムで作成させることで、こうした人々の業務にも好影響をもたらす。エンジニアらは、受けたフィードバックをすぐに解釈して対応することで、顧客体験を絶えず強化できるようになる」という。

 Casey氏は、AWSが機械学習を「民主化」して広く利用可能にしようとしていることを示唆している。4月に発表された「Amazon Bedrock」は、基盤モデルをAPIを通じて利用できるよう新サービスだ。

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