生成AIはデータサイエンス業務を近代化する–DataRobotのシュミットCTO

今回は「生成AIはデータサイエンス業務を近代化する–DataRobotのシュミットCTO」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営、トップインタビュー等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 DataRobotとMicrosoftは数カ月にわたり、「Azure OpenAI Service」の「ChatGPT」モデルを活用した取り組みを行ってきた。5月にはその成果の一部が公開された。DataRobot 最高技術責任者(CTO)のMichael Schmidt氏は、今回の取り組みを「データチームとビジネス関係者の間に長く存在した障壁を取り払うもの」だと説明する。

 同氏は「DataRobotユーザーの多くが生成AIに興味を示している一方で、データに関するプライバシーやセキュリティを優先事項や懸念点に挙げている」と話す。ChatGPTをはじめとする生成AIツールの活用をめぐっては、サムスン電子が社内利用を禁止したり、イタリア当局もサービス提供を一時的に停止したりするなど、活発な議論が行われている。

 「Azure OpenAI Serviceは(プラットフォームとして)成熟しており、プライバシーやセキュリティに関しても確立されている。さらに、エンタープライズ向けの機能も整っていること、Azureを利用するDataRobotの顧客が多かったこともあり、MicrosoftとDataRobotが協力するのは自然な流れだった」(Schmidt氏)

 なお、DataRobotはAIプラットフォームの最新版「DataRobot AI Platform 9.0」をリリースしており、「シングルテナントSaaS」としてAmazon Web Services(AWS)、Google Cloud、Microsoft Azureで利用できるようになった。また、「Red Hat OpenShift」をサポートすることで、オンプレミス/プライベートクラウド環境での迅速なインストールとデプロイメントが可能となった。

 Schmidt氏は「企業はAIで成功を収めるために既存のインフラや投資の範囲内で機能するソリューションを必要としている」といい、「われわれが目指すのは、生成AIによる価値創造を容易にすること。今日の生成AIは、AIのユースケースを拡大・強化するものとして2つの側面がある」と話す。

 1つは、DataRobotの利用体験を向上させるもので、全く新しいデータサイエンスの開発やデータプレパレーション、モデル実験、コラボレーションの高速化など。もう1つは、ユーザー独自のデータで生成AIを活用したり、ユースケースに合わせてカスタマイズしたりできるようにすること。

 例えば、AI開発者が記述するコードを予測し、コード生成を自動化することで作業効率の向上とエラー率の低減を可能にする。また、データ分析の結果を説明するテキストを自動生成し、インサイト(洞察)の導出を自然言語で補助する。

 「最も重要なのは、生成AIを本番環境で利用する際の安全性である」とSchmidt氏は語り、DataRobotとAzure OpenAI Serviceを組み合わせた独自のユーザー体験は、「Notebooks」での開発や関係者への情報共有など、モデルの開発・実装に必要な多くの反復作業を近代化・加速させると強調した。

 DataRobot AI Platform 9.0にはそのほか、バイアスの軽減、モデル監視の一元化、モデルに関するコンプライアンス文書の自動作成などの補助機能によって企業リスクと生産障壁を低減するとしている。AIアクセラレーターと新しいAIサービスパッケージは同社が保有するAIの専⾨知識をユーザーに提供し、AI活⽤の開始直後から⼤きな価値実現をもたらすとのこと。

 SAPともパートナーシップを締結した。これにより、ユーザーは「SAP HANA Cloud」やその他のサードパーティーのデータソースにあるデータを活⽤しながら、DataRobotで独⾃の機械学習モデルを構築し、SAPアプリケーションスタックに組み込めるようになる。

 Schmidt氏によると、DataRobotは2023年後半にかけて生成AI関連の機能を複数リリースする計画だという。

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