AIやデータ活用に注力するCohesity–Google Cloudとの新提携
今回は「AIやデータ活用に注力するCohesity–Google Cloudとの新提携」についてご紹介します。
関連ワード (ストレージ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
米Cohesityは、Google Cloudとのパートナーシップを拡大し、ユーザー企業が生成AIとデータの力を引き出すことを支援すると発表した。これは、4月に発表されたMicrosoftとのパートナーシップ強化に続き、AI分野の取り組みを強化する。もともとは「セカンダリーデータ」のためのストレージであり、「エンタープライズストレージをスマートフォンのような使い勝手で運用できるように」というコンセプトを打ち出していた同社だが、現在はデータセキュリティとAIに注力して、独自の存在感を示している。この方針を主導するCEO(最高経営者) 兼 プレジデントのSanjay Poonen(サンジェイ・プーネン)氏に、AIに対する取り組みについて訊いた。
なお、Poonen氏は2022年8月に就任し、以前にVMwareの最高執行責任者やSAPの社長なども歴任。VMware時代に「AirWatch」や「Carbon Black」を買収し、VMwareのセキュリティビジネスをリードした経験もある。Cohesity創業以来CEOを務めてきたMohit Aron(モヒート・アロン)氏は、最高技術・製品責任者として製品イノベーションに注力する形となっている。
–Cohesityの現在の取り組みはいかがでしょうか。
5月下旬にCohesity初の大規模なバーチャルイベント「Cohesity Catalyst」を開催し、記録的な数の参加者が集まった。ユーザー企業やパートナー企業、そしてIT業界のビッグネームが集まり、同時期に開催された競合他社のイベントと比較しても盛況だった。われわれは現在、レガシーなバックアップ/リカバリーにフォーカスしていたストレージ業界から、データセキュリティやデータマネジメントにフォーカスする新しい形に作り替えようと取り組んでいる。この取り組みが支持されていることの表われだと考えている。
現在は、ランサムウェア攻撃によってユーザー企業のバックアップデータが破壊されることが課題となっているが、バックアップデータは、典型的な「セカンダリーデータ」であり、その多くが可視化されず、運用管理の対象から漏れてしまっていることが根本的な問題だ。データベースシステムなどが管理する構造化された「プライマリーデータ」に関しては、十分な可視性が確保されていることが多いが、セカンダリーデータはいわば氷山の水面下に沈んだ部分のようなもので、水面上に見えている部分よりもはるか大量に存在している。この部分に焦点を当て、可視化してデータセキュリティを確保し、そこからインサイトを得ることができるようにする、というわれわれの取り組みには、今後大きなビジネスチャンスがあると考えている。
そこで今回発表したのが、AIに関する新たな取り組みだ。4月にMicrosoftとの生成AIに関する提携を発表したが、新たにGoogle Cloudとも提携することを発表した。Google Cloudのフルマネージド型機械学習プラットフォーム「Vertex AI」などの主要クラウドサービスと、AIに対応したデータセキュリティとデータ管理プラットフォームである「Cohesity Data Cloud」が密接に連携し、より深い統合を行っていく。
ユーザーは、大量のバックアップデータに対して「ChatGPT」で実現しているような自然な対話で、より洗練された検索を実行できるだろう。例えば、「10年前の2013年に起こった情報漏えいについての証拠の全てをバックアップデータの中から見つけ出し、1ページのサマリーにまとめて報告してほしい」といったタスクが実行できるようになる。もちろんこうした処理には、生成AIの力に加えて、Cohesityの独自アーキテクチャーによるデータのインデックス化などが組み合わされることで実現されている。われわれは、この分野で複数の特許を取得しており、競合他社に対しても数年先行していると考えている。
–CohesityのAI関連サービスはどのようなものですか。
われわれは、データセキュリティとデータ管理にAIの力をもたらすサービスとして「Cohesity Turing」(コヒシティチューリング)を発表した。これは、大きなブランド名であり、このブランドの下でさまざまな、具体的なAI関連サービスが提供される形になる。セキュリティ関連で何か異常値を発見したり、あるいは対話型で具体的な質問に対する答えを得たりといったさまざまなユースケースが考えられるが、それら全体を総称するのがCohesity Turingだ。
なお、MicrosoftとGoogleの両方のAIテクノロジーを活用できるようになったが、われわれがどちらかを選択するのではなく、ユーザー企業に選択肢を提供する目的だ。Google CloudのユーザーならVertex AIの方が使いやすいだろうし、「Microsoft Azure」を活用しているユーザーならMicrosoftのテクノロジーを選ぶだろう。われわれはAWS(Amazon Web Services)とも連携しており、選択肢をさらに拡大していく計画だ。
AIで何ができるようになるかは、どのようなモデルを利用して、どのようなデータで学習させるかによって違いがでてくる。AIに任せれば専門家が実行するよりもはるかに低コストで処理できるタスクもあるが、逆にAIを開発して運用するコストが想定外に高額になる可能性もある。