成果の最大化と社会的価値の追求には、支出の可視化・最適化が必要
今回は「成果の最大化と社会的価値の追求には、支出の可視化・最適化が必要」についてご紹介します。
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クラウド型支出管理(BSM)プラットフォームを提供するCoupaは7月4日、企業が抱える間接材購買システムに関する説明会を開催した。同社調査によれば、44%の企業が直接材購買システムを、48%が間接材購買システムを自社開発している。代表取締役社長の小関貴志氏は、「異なるソリューションをワンプラットフォームにまとめれば、顧客企業の大きな価値につながる」と自社ソリューションの有用性を主張した。
企業は常に成果の最大化を必要とする一方で、社会的価値の追求も求められる。小関氏は、両者を「相反するトレードオフの関係」と指摘。昨今、エネルギー効率の向上や温室効果ガス排出量の削減に取り組む企業は多いものの、これらが財務負担を招いているのは明らかだ。それでもCoupaは、両者を両立させることは可能だと説明する。
同氏はさらに、「サステナブル経営はちょっとしたはやり言葉だが、トレンドではなくこれからの成長戦略になる。学生が就職する企業を選ぶ時は知名度だけではなく、社会への貢献度も選択要素に含めている。また、ESG(環境、社会、統制)の活動を可視化し、従業員の賞与に反映することも可能」だといい、成果の最大化と社会的価値の向上を実現するには、支出の可視化と最適化が必要だと説明した。
米Coupa Softwareが世界の最高財務責任者(CFO)600人を対象にした2023年の調査結果によれば、採算性向上に必要な戦略は「効率化」(53%)、「デジタル化の推進」(同)、「従業員の維持」(50%)が上位に並んだ。一方で「企業全体の支出データの完全な把握ができない」(46%)、「複数のデータソースとサイロ化した支出データ」(44%)、「労働工数を要するデータ収集プロセス」(44%)を課題とした企業も少なくない。
シニアマーケティングマネージャーの湯原良樹氏は、その背景として「意思決定を下すのに必要なデータが一カ所にまとまっていない」と指摘する。
支出の最適化を妨げる要因について、湯原氏は「企業の総支出で約5~15%を占める間接支出だが、多種多様な商品と取扱先数や、不明確もしくは統一されていない仕様、関連部門の多さ」が混乱を招いていると話す。
購買調達業務のデジタル化はまた途上にあり、Coupaが2022年9月に発表した調査結果でも、直接材購買は29.3%、間接材購買は31.3%の企業しか実現していない。仮に残る7割の企業がデジタル化しても、人材不足(38.5%)や改善に取り組む余裕(33.2%)、人材の能力不足(31.7%)が購買業務改善を妨げる要因となる。
また、湯原氏は「現行プロセスの複雑化や日常業務としてERP(統合基幹業務システム)に伝票情報を入力する作業は引き続き残る」とし、調達業務領域のワンプラットフォーム化がコスト面や従業員負荷の軽減につながると説明した。
現在、Coupaの導入数は世界で3000社を超えており、国内企業も調達業務の改善に利用している。三菱重工は調達工程の統合化・標準化や間接費支出の総合管理に活用し、請求書の94%をデジタル化することで業務改善と間接費削減に成功した
積水化学工業もカタログ整備による最大20%のコスト削減や価格交渉の軽減による業務効率化、集中購買を推進するインフラストラクチャー整備で全社共通の購買システムを実現している。アサヒ飲料は、中期販売計画に関する生産設備・物流拠点の最適化、30人日を費やしていた課題検討を約1~2日に短縮し、生産・物流ネットワークの最適化で平均輸送距離を8%削減した。